ten ページ11
テスト結果のご褒美と称し、ひとりケーキバイキングに来ていた。
ぶっちゃけかなりの甘党だが一緒に食べに来る人が居ない。
赤羽は用事がある様で。甘党らしいが妙な違和感のある茅野を誘うことは避けたい。潮田は何か違う気がするので却下。
クラスメイトとはある程度交流あるものの、自分が甘党というイメージからかなり離れている事は自覚済み。ケーキを食べに行こうと言うには気が引ける。
そして、ケーキバイキングのチラシ見ながら考え込んだ末にやっぱり来た。
人気チェーン店で新しくオープンした支店は結構な人が並んでいる。カップルも多い中、何故か注目がこちらに向く。視線のあった男に目を逸らされた。
浮かれて少々着飾ってしまったのが問題か。シンプルでオシャレを目指したが無理だったらしい。
似合わないのは知ってる。やめてくれ。そんな意味を込めて大きなため息をつくも気を取り直し、最後尾に並ぶと見覚えのある後ろ姿が幾つも視界に入る。
「あれ?赤井さん?」
原の一声を合図に意外そうな声が飛び交う。倉橋、矢田、中村。意外なのはこっちだ。接点の少なさそうな四人が集まっていた。
原は純粋にケーキ好きで、倉橋と矢田はビッチ先生の紹介。中村は最近の流行りと聞いて。同じ店に行く予定ならばと皆で来たそう。四人と御一緒させてもらう事になった。
「そういや、赤井ちゃんは何でここ来たの?」
「ん?…それは…」
原と話してた話題がひと段落すると、いきなりこちらに話をふってきた中村。質問の内容に答えを戸惑う。ニヤニヤ笑うな。話を切り上げていた矢田と倉橋も答えを待つ。
「……ケーキ、好きなんだ」
「おっ?意外」
「確かに〜」
「赤井さんもケーキ好きなんだ」
「意外だけど、可愛い」
ズバリとした意外という言葉。確かにと笑う倉橋は真純と似ていて少し泣きたくなる。原は一緒だねと笑ってくれた。そして是非とも、可愛いという言葉は矢田自身に使ってくれ。
またな、と手を振り返す。
バイキングでは美味しそうに食べる倉橋に真純する様にほら、とフォークに刺したケーキを差し出してしまった。
驚いていたが直ぐに食べて「ありがとう」とお礼にと差し出されたケーキ。かなりデカかったが一口で食べた。中村は笑いながらその様子を動画で撮っていたが気にとめる余裕がなかった。
その後も、ショップに寄って服を見繕ってもらった。今日は本当に充実した一日だった。
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめ - お話を作るのがお上手ですね。とても面白かったです。 (2018年6月24日 23時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@写真は載せられない(プロフ) - とても面白いのですが、名前変更ができませんね。名前固定にするか、(名前)と表記すると話が入ってきやすいと思います。更新頑張ってください。 (2018年4月12日 18時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
Masashikomaki(プロフ) - 第9話はneinじゃなくてnineです (2018年4月8日 3時) (レス) id: a49af5283d (このIDを非表示/違反報告)
Masashikomaki(プロフ) - 第4話はforじゃなくてfourです (2018年4月8日 3時) (レス) id: a49af5283d (このIDを非表示/違反報告)
さやか - あのすみません。タブレット端末から読ませて頂いているのですが、変換が出来ていません。お気に触ったのならすみません。 (2018年3月30日 20時) (レス) id: 13c0fdb1c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルイ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/801c5f66811/
作成日時:2018年3月20日 23時