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「いなくなってく友達。周りからは人間として見られない。苦しかったぜ？・・・そりゃあ、反吐が出るほど。」
でもなぁ、親が喜んでる姿目の当たりにしちまうと、やめてえって言えねえんだよ。
だけどどっかで区切りをつけねぇとまずいと思った。
このままだったら俺、この姿のまま終わってくんじゃねぇかなって。
「だからなァ、言ってみたんだよ。」
お父さん。もう、こんなことやめよう。僕、もう嫌だよ・・・。
そしたらさ、親父は、うんって。そうだなって。それはお父さんもどっかで思ってたんだ。って。
じゃあ、って言った次の瞬間だよ。
「琴樹・・・？それは本当なの？やめたいのは本当なの？」
お袋がダメだったんだ。
もうすでにおかしくなってたんだよ。俺の家族は。
親父はしばらくして家から消えた。毎日のように本当なの？嘘でしょう？と繰り返すお袋に耐えれなくなったんだ。
そもそも外に、愛人がいた。
初めから俺の家はおかしかったってワケ。
「ほんっと、意味わかんねぇよなぁ。」
愛されてたと思ってたあのときはただの虚像で、頭を撫でてくれた親父の手は嘘偽りの塊だった。
愛してくれたお袋の体は金と自己顕示欲・・・っつうのかな？に蝕まれてったわけ。
「ひでぇよなあ」
結局俺は二人の一時的なお人形だったってこと。二人とも自分が一番大切だった。
俺はその後いなくなった親父が一応引け目を感じたのだろうか、田舎の爺さんの住所を送ってくれた。
「まぁ、だからそこに逃げたんだけど。」
確かそれが中二の夏。夜に荷物をまとめて家をこっそり抜け出した。
それからはお袋にはあっていない。親父には数回あった。
親父は定期的に状況を見に行っているみたいだ。
「マ、もう俺は会わねぇけどなぁ」
もしも、あのとき俺が術式を自覚しなかったら。
変わっていたかもしれない。
でも、ここにはいない。
わかってる。わかっちゃあいるが。
「まぁ、少しだけ親ってものを知りたかったとは思ってるぜ」
「あと、ちゃんと愛してもらってたら俺きゅん、もっとイイ子チャンだったかもしんないぜ？
「うーん琴樹がそう自分を責める必要ないんじゃないの？」
「あ？」
「いやさ、それって誰が悪いわけでもないと思うんだよね。実際そうでしょ、琴樹」
「いや、しらねぇけど」
「琴樹、誰責めていいかわからないから自分を責めてるんだよ」
「まぁ、そういうところで強いていうなら琴樹の両親に非があるカモだけど」
「ゆっくり悩みなよ。時間はまだあるよ」
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