こんなことになるんだったら組織なんか入らなきゃよかった。３【安室透】 (ページ35)

今日:19 hit、昨日:37 hit、合計:125,741 hit

ゲームの出会い厨ほど鬱陶しいものはない。ページ35

『ゲームぅ？』

目の前で目を輝かせている後輩に思わずため息を吐く。

「あっ、先輩～･･･馬鹿にしてますね？」

『そりゃね。あれでしょ？河田ちゃんの勧めるゲームって乙女ゲーでしょ？』

「違います！珍しく普通のゲームですよっ！失礼な！」

『自分で珍しくって認めたな？？』

私のツッコミを無視し、スマホを操作して見せてきたのはRPGっぽい画面だった。

あれ、本当に普通のゲームだ。
って何でドヤってんだこの子。別に凄くないから。

「「怪物コレクション」、略して「怪コレ」っていうんですけど、オンラインのゲームで結構流行ってるんですよ～」

『へぇ･･･あ、この「みこりん♡」って････』

「私でーす♪」

『でしょうね････』

「あんた、ゲームでもそういう感じで行ってんの？」

「やだなぁ、浅野先輩！普段よりもずっと女らしくいってます～！」

「そっち！？」

二人の会話を横目に、アプリをじっと見つめる。

････まぁ、暇つぶし程度ならいいかな。

ハマったならそれはそれで。うん。問題はない。

そうと決まれば早速入れてみるか･･･。

「あ、結局やってくれるんですね！流石先輩！･･･でも名前が「ぶっきー」って････」

「「ぶっきー」･･･ぶふっ」

『笑うな！本名を使うわけにはいかないんだからしょうがないでしょ！』

「だからって「妻夫木」から取ります？普通」

『うるさい黙ってて』

からかってくる後輩は無視しよう。

浅野は･･･興味津々に見てるから放ってても大丈夫か。

「先輩、話しかけられてますよ」

『え？誰に？』

「誰にって････ほら、その男の人」

河田ちゃんの言葉に画面へと視線を移すと、確かに武装した男のアバターが話しかけて来ていた。

「出会い厨ですかね？」

「は？殺す」

『落ち着け！！もしかしたら純粋に話しかけてくれただけかもしんないでしょうが！』

「え～？」

やいのやいの言っている二人は無視しよう。

とりあえず返事返さないと････。

『「初めまして！初心者ですがよろしくお願いします！」』

「よろしくお願いします！よければ一緒にクエスト行きませんか？」

『「え？いいんですか？本当に始めたばかりで装備もまともなのがなくって････」』

「大丈夫です！初心者でも行けるところですし、何かあれば僕がサポートしますので！」

『････この「ユーヤ」って人、親切だなぁ』