白馬の王子様に迎えに来てもらうとか書かなくてよかったな私。 ページ34
「上司は厳しいけど、部下は可愛いかな。俺の指示したことテキパキしてくれるし、ミスもたまにだし。まぁそのミスも俺がカバーするから問題ないけど」
『へぇ・・・・やっぱお気に入りとかいんの?』
「お気に入りねぇ・・・今んとこないかな。ただ、ちょっと苦手なのはいる」
『え、どんな奴?』
「なんていうか・・・・一言で言えばイケメン?三十路らしいけど、正直学生でも通せるくらいの童顔。同い年なのに羨ましいわぁ」
『童顔ねぇ・・・』
三十路で童顔、で零を思い出す私は重症だと思う。
「何考えてるかよく分かんねぇし、深く関わるなっていう一線が引かれてるなーっていうのがちょっと伝わってくる。けど女の扱いも慣れてるんだよ。そのくせ仕事は完璧ときた。ほんとやってらんねぇ!イケメンっていいよな!」
『はは・・・浅見もイケメンだと思うけど』
なんだかんだでこいつもモテてた気がする。
うろ覚えだけど。
と、浅見が腕時計を見て目を丸くした。
「あっ、やべ!もう行かねぇと!」
『?なに、仕事?』
「まぁそんなとこ。遅れたらマズイからもう行くわ!今日はありがとな!」
『ん。またねー』
千円札を置いて慌てて去っていった浅見。
んー、忙しい仕事なのかな。頑張れ。
『・・・・・ん?』
千円札の下に置いてある紙を手に取る。
そこには浅見の連絡先らしき数字の羅列が殴り書きされていた。
・・・・・・あいつ、ちゃっかりしてるな。
一応追加しとこう。
これも何かの縁かもしれない。
『・・・・・・夢、ねぇ』
“誰かを守る為には犠牲が必要なんだ。誰かが幸せになるってことは、別の誰かは不幸になる”
“誰かを傷付けて不幸にしなけりゃ貫けないような正義なんて認めねぇ。それならいっそ_________”
いっそ、どうする?
浅見はあの時、何を言おうとしたんだろう。
私なら、「いっそ『正義を求めることを止める』」とか言うけど。
・・・・・・誰かが幸せになると、他の誰かが不幸になる、ね。
『痛いなぁ・・・浅見のくせに』
痛いほど分かってるんだ、そんなことくらい。
「正義」は時に「暴力」になるから。
『・・・・運命の人と結婚、か』
そんな夢、現実にはならないよ。
頭のどこかで誰かが言う。
うん、それも分かってる。
夢は夢のままで、でしょう。
ゲームの出会い厨ほど鬱陶しいものはない。→←闇落ちとか何のバトル漫画ですか!?!?
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豪秋(プロフ) - 凄い面白いです。更新頑張ってください。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: abe3eae12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2019年4月29日 19時