闇落ちとか何のバトル漫画ですか!?!? ページ33
「でもな」
『ん?』
「みんなが笑ってる中、お前だけは俺の夢を肯定してくれたんたぜ。覚えてないだろうけどな」
『・・・・え』
「「ヒーローってかっこいいじゃん!浅見ならなれるよ!」って。・・・あの言葉のおかげで、叶わなくても捻くれず、自分に自信が持てたんだ。ありがとな」
そこでやっと、彼の巣の笑顔が見れた気がした。
・・・・・小学生の時の私、純粋だったんだな。
そんな子供じみた夢を肯定して、背中を押して。
その数年後に闇落ちするとも知らずに。
はぁ・・・・あの頃に戻りたい。
「あ、そうだ。Aこそ何の仕事やってんだよ?」
『あんたとそんな変わんないよ。ただのOL』
「おー!おそろじゃん!」
『仕事を服とか小物と同じように言うな』
どこでどう間違ったんだろうね。
もしあの日早く家に帰ってなかったら。
いや
もし私が妻夫木家に生まれてなかったら、組織に入らなくて済んだのかな。
“ごめんなさい、A・・・・実は私達___________”
“今まで黙っててごめんな・・・・!!”
・・・・・別に両親を恨んではない。
組織がどれだけ汚い連中か知ってるし、どうしようもないことだったのだと呑み込める。
それに今はこうして普通の生活を送れている。
友達もいるし、好きな人もいるし、一般人と何ら変わりない。
命は狙われてるけど。
ま、それも自分が蒔いた種だからいいけど。
それでもたまに、「組織に入らなかった自分」を想像してしまう。
「ああでも、Aも俺とあんま変わんなかったよな。作文」
『え?そうなの?』
「おう。でっけー声で「私の夢は運命の人と結婚することです!!」ってさ。もうそりゃ男子は大爆笑だったぞ」
女子はすっげぇ賛同してたけど、というフォローになっていないフォローに頭を抱える。
嘘。やっぱ戻りたくない!地獄じゃんか!!
「んで?運命の人とやらとは結婚できたのかよ?」
『う・・・・できてたら一人であんなところにいないんですけど』
「それもそうか!はは!」
何笑ってんだはったおすぞ。
「まぁ、Aと付き合える男なんてそうそういないよなぁ」
『いちいちうるさい。それよりさっきの話だけど・・・・叶わなかったとか言ってたけど、結局仕事はどうなの?楽しい?』
「ん〜・・・・」
浅見は少し考え込んでから「まぁね」とへらっと笑った。
その表情は少しぎこちなかったように思う。
白馬の王子様に迎えに来てもらうとか書かなくてよかったな私。→←正義のヒーローって何気悪役より難しいよね。
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豪秋(プロフ) - 凄い面白いです。更新頑張ってください。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: abe3eae12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2019年4月29日 19時