こんなことになるんだったら組織なんか入らなきゃよかった。３【安室透】 (ページ3)

今日:12 hit、昨日:37 hit、合計:125,734 hit

男女の恋愛は本当に奥が深いようで････。ページ3

『浮気調査、ですか？』

驚いて復唱すると、女性は小さく頷いた。

隣の毛利探偵は普通にしているけど、扱ってるのって殺人事件ばっかりじゃないのか･･･。

その事実に一番驚いたわ()

「実は、最近彼が帰ってこないんです･･･「今どこなの？」って聞いても素っ気なくて････きっと他の女のことで頭がいっぱいなんだわ･･･ううっ」

『な、涙を拭いてください。･･･浮気ですか』

浮気････それは許せない案件だけども、あんな大金積んでまで頼むことか？

つまり、彼氏が浮気してるか確認しろってことでしょ？

そんな単純なことに、100万も････

「････ただ事ではなさそうですね」

『！･･･ええ』

真剣な表情で呟いた安室さんに軽く返事をする。

それにしても、何で隣を確保してくるんだこいつ･･･。

『方法などはこちらで勝手に決めていいんでしたよね？なら私が尾行しましょうか』

「そうだな。じゃあ妻夫木さんから情報が来るまで俺達は事務所で････」

「待ってください」

立ち上がった私の手を取り、相変わらずの笑顔でつらつらと話し出した。

「Aさんが一人で尾行するよりも、僕と二人で尾行したほうが効率がいいと思いませんか？」

『え？そ、それはそうかもしれませんけど･･･流石に目立ちませんか？その、安室さんってかなり人の目を引きますし･･･』

「いえいえ、目立たないよう変装しますし･･･恋人のフリでもすれば、相手も油断しますよ」

『･････は？恋人？』

安室さんの言葉に、私は素っ頓狂な声を出してしまった。

彼の言ったことの意味を理解するよりも先に、毛利探偵が納得したように手を叩いた。

「なるほどな！依頼人の彼氏が浮気してるなら、そういった場所に向かうはず」

「ええ！むしろそんな場所に女性一人でコソコソとしていたら怪しまれますよ」

『っ、そ、そうですね･･･分かりました。何かあったら連絡しますね』

「ええ･･･ありがとうございます･･･！」

毛利探偵と依頼人に別れを言い、事務所を出てから彼を思いっきり睨んだ。

しかし当の本人は悪びれた様子もなくこちらを不思議そうに見ている。

こいつ･･･！！とぼけ顔が妙にムカつくんだよ！

『ちょっと、どういうつもり！？』

「どうもこうも、君は尾行苦手だろう？失敗されると困るからついてきただけだ」

『ッ･･･！！』

言い返せないのが更にムカつくんだよ･･･！！