そんなに分かりやすく一線を引かれると流石の俺でも傷付くぞ。 ページ20
安室side
「つらいですね」
梓さんがほうっと息を吐いた。視線の先を見れば何のことか察してしまう。
「自分はこんなにも想っているのに当の本人の想いは別の人に向けられているんです。それってすごくつらくないですか」
「梓さん、もしかして沖矢さんに片想いを?」
「違いますよ!今のは安室さんの心の声を代弁したんです!」
「僕の?」
クスクスと思わず笑みが漏れる。
俺が彼女に片想いをしている?そんなわけがない。彼女は俺を好いている。
それが分からないほど鈍感でもないし子供でもない。
沖矢・・・・もとい赤井はただからかっているだけだ。
彼女もそれを理解している。
俺の片想いなんてどうやったらそういう思考にいくのだろうか。
「何というか・・・・沖矢さんには心を開いているのに、安室さんには一線を引いてるような感じがして」
「一線?」
「私の友達もそうだったので何となく分かるんですけど、「私の心に入らないで」「貴方と私は別世界の人間なのよ」みたいな?そんな感じの線の引き方をしてるように見えます」
「・・・・・それは」
それは組織時代の。・・・・・・なんて、本当は分かっていたんじゃないか。
Aは俺を巻き込まないようにしている。
助けを求めろと言っても断固として頷かない。一人でどうにかしようとする。
もう恋人でも何でもないんだから放っておいてと言われてるようだった。
・・・・いや、きっと実際はそういう意味なんだろう。
組織殲滅や人探しは私の問題だからっていつもそればかりで。
俺の世話にならないようにと必死で。
「バーボン」も「安室透」も「降谷零」も、誰も信用されていない。
全員が拒絶されている。友達でいようと線を引かれている。
ぞっこん?好いている?勘違いも甚だしい。
何が「俺が守る」だ。守らせてもらえないくせに。
一線を引かれているのなら、近付くことさえ出来ない。守れるわけがない。
だが、それでも。
「・・・・・これでも、彼女の心の中に入れていると思っていた」
「?妻夫木さんと元から知り合いだったんですか?」
しまった、と慌てて笑顔で取り繕う。梓さんの存在を一瞬忘れてしまっていた。
・・・・まぁいいか。組織のことを言わなければ問題ないだろう。
梓さんは不思議と話しやすいしな。
簡単に言っているがそれが言葉に出来たら苦労しない。→←零と赤井がお似合い過ぎてもうコンビ組んで漫才すればいいと思う。
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豪秋(プロフ) - 凄い面白いです。更新頑張ってください。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: abe3eae12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2019年4月29日 19時