思い出す過去 ページ7
『A先生！』
A「ん？」
『この前ね、凄く可愛いストラップを見つけたの』
A「うんうん。」
『熊のストラップなんだけど』
A「わー素敵ね！」
『その熊足が無かったの』
ｷｷｨｰ🚚
ﾄﾞﾝｯ💥
A「やだぁ、死なないで、泣」
『先生、僕先生のこと…』
ﾋﾟｰ ーーー
A「はぁっ！はぁはぁ、」
夢か、なんで今更、
コンコン🚪
ガチャ🚪
ジンギ「大丈夫？」
A「だいじょぶで『泣いてるじゃん』
え？
慌てて目を擦ると
A「なんで、泣」
ジンギ「どうしたの？」
A「過去の夢を、みたんです泣」
A「私の、患者さんが亡くなって、」
上手く言葉も出なかった
そしたらジンギくんが
ジンギ「…もし良ければ聞かせて？」
と言うので
私は呼吸を整えるため深呼吸し、
ジンギくんを真っ直ぐ捉えた
A「あれは2年前の事で…」
ー2年前ー
先輩「Aさんに、頼みたい患者がいて」
A「はい！」
先輩に渡されたカルテには
イ・ジンギ
って書かれてて、私の一つ下の男の子だった
韓国の子か、と思い入った
A「今日から担当医になるAです、ジンギ君でいいかな？」
ジンギ君「うん！こんにちは」
凄く可愛くて元気なのが印象的だった
ジンギ君「先生あのね！」
私にいろんな話をしてくれて、
私の中で治ってほしいと、凄く思って
その願いが届いたのかは、分からないけど
症状も軽くなって来たある日
ジンギ君「A先生！」
A「ん？」
ジンギ君「この前ね、凄く可愛いストラップを見つけたの」
A「うんうん、」
ジンギ君らしい、
ジンギ君「熊のストラップなんだけど」
A「わー素敵ね！」
ジンギ君「でもその熊足が無かったの」
私はジンギ君からそんな言葉が発せられると
思ってなくて、背筋が凍った
ジンギ君「ほら、」
確かにない、でも可愛い
ジンギ君「…ごめんね！怖がらせて」
A「ううん、平気笑笑」
ジンギ君「散歩してくる」
気まずさを晴らすためか、そそくさと外へ行ってしまった
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作者名：りんごほっぺ | 作成日時：2022年12月15日 7時
