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一通の手紙 ページ3

「ただいまぁ〜…」


元気なく家の鍵を開け、そのまま床に突っ伏しる


今は何も、やりたくない。


シンバル「みゃー!」


部屋の奥から飼い猫のシンバルが駆けてきた。


シンバルは私の親友、私の家族だ。


「シンバル〜!聞いてよーー!!」


頭の近くに来たシンバルを思いっきり手繰り寄せ、そのふわふわな毛並みに顔をうずめる。


「この街ね、もう人口少ないから配達員は1人2人で十分なんだって。私…、解雇処分食らっちゃった……。明日からどうしよう、グスッ」


シンバル〜!と叫びながら頭をグリグリ擦り寄せていると、シンバルは突然腕から抜け出し部屋の奥に行ってしまった。


あー、そうですか。しつこいってことですよね。


シンバル「なーご。」


戻ってきた、手紙咥えて。


「それ、今日の手紙……?」


シンバル「にゃー!」


得意げに胸を張るシンバル、本当に猫か疑うくらいに利口だ。


「よしよしありがと〜シンバル!さすが自慢の親友!」


シンバル「にゃあ!」


わしゃわしゃと撫で回したあと、廊下から移動するのが面倒臭いのでその場で手紙を開ける。


手紙は赤いシーリングスタンプで封がしてあった。


【親愛なるA・グランベル様
私はエウデュディケ荘園の主でございます。
突然のお手紙お許しください。
この度、A様をエウデュディケ荘園の専属配達員
に任命したいと思い手紙を送らせていただきました。
お話があるので都合のいい日にこちらまでお越しください____】


「へぇ〜、専属配達員ねぇ…ん?」


せんぞく…はいたついん……?


もう一度手紙を見て最初から最後まで読む、


1度封筒にしまってもう一度取り出して読む。


同じ。


「えぇぇぇぇぇぇぇ!???」


拝啓天国のお母さんへ

私の人生に転機が訪れたようです。

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作者名:あっぷる | 作成日時:2024年3月11日 10時

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