ロマンスな出会い【梅原裕一郎】 (ページ41)

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予想外のプロポーズページ41

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江口さんが家に来た。タクシーで来たからもう酒を飲んだ状態で楽しそうにずっとヘラヘラしていた。

「Aちゃ〜ん」
『はーい』
「梅ちゃーん」
「なんだよ」
「本当に二人はお似合いだね」
「よく言われます」
「いひひ」
「キモ」

笑いだしたと思ったら「トイレー」とリビングを出た。
すっかり出来上がってるから今日は泊まる勢いなのかと思うと少し心配。

Aは江口さんが頼んでくれたピザを食べながら音楽番組を見ている。

「ねー！これなにー！？」

洗面所の方から声が聞こえる。嫌な予感。

『どうしたんですかー？』

食べかけのピザを置いて立ち上がるA｡ちょっと待ってくれ、行くな。

「ほっといていいんじゃない」
『え、でもなんか気になります。別にへんなもの置いてませんよね』
「置いてる、Aに見せると教育上良くないもの」
『いやいや、そんなの平気ですよ。慣れてます！』
「違うんだって、酷いやつだから」
『え…そんなのがあるんですか？』
「ねー梅ちゃーん！これこれ！」

そうこうしてる間に江口さんが見つけたと思われる物を持ってきてしまった。

「はあ…もう最悪だわ」
「あれ、俺要らんことしちゃった？」
『なんですか…？』

江口さんが持ってきた物はAに近いうち渡そうとしていた指輪だ。結婚しようって言う時に渡そうと思って用意していた。

結婚したときに渡すものはオーダーメイドにしてあるからまだしばらくかかる。その間に着けるもので、サイズとデザインがシンプルなものをAが寝てる間に買いに行ったのだ。

小柄なAが見えないような場所に置いてたけど、平均より身長が高い江口さんには見えていたようで、気付かれてしまった。

「あーもう江口のアホ」
「アホ…！」
「ごちゃごちゃ言ってもあれだから今言う。結婚しよう」
『うっ、梅原さん…！？』

去年の今頃付き合い始めた。出会った頃から色々あったけど、結局Aが居ないとダメなんだということに気付いた。

『私も梅原さんと結婚したいです…』
「初めて目の前でプロポーズ見た…！すごい！」
「おい江口、うるせえぞ」
「すいません！」

酔っ払いに見守られながら指輪を薬指に通した。サイズもピッタリでよかった。