ロマンスな出会い【梅原裕一郎】 (ページ24)

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最近梅原さんの体調が優れないらしい。病院に行くことを勧めたら「お前も来い」と無理矢理連れてこられた。

まさか病を患ってるなんて思わなかった。とにかく頭が真っ白になって、どうすればいいか分からない。
梅原さんのほうがしっかりしてて、入院の準備がしたいからと一緒に家に向かった。

「ごめんだけどスケジュール頼んでいい？」
『…えっ、あっ、はい…わかりました…連絡しときます』
「ごめん。よろしく」

もう一度病院に行って入院生活が始まった梅原さん。事務所で活動休止しますという文章を作って出した。
すぐに色んな人から心配のメッセージが届いて、梅原さんは愛されてるんだなと思った。

私も頑張らなきゃいけないと思っていたら先輩から「しばらく同じビルにある他の事務所のマネージャーもして欲しい」と言われた。

「よろしくお願いします、えっとAちゃん…？」
『お願いします、八代さん…！』

梅原さんと共演したことがある八代さんのマネージャーも担当することになった。違う事務所だけどいいのかなと少し心配したけど、これは梅原さんからの伝言らしい。
もし自分に何かあって私にすることがなくなったとき、仲のいい声優のマネージャーをして欲しいと。

そんな理由が通るのが凄いなと思う。

八代さんは梅原さんと違って凄く優しかった。
お茶買ってこいとか言わないし、家まで遅れなんて言わない。深夜に呼び出したりもしない。ゲームも寝落ちするまでやらないし、お前って呼ばない。

最高な人だなと思ったけど、それがないと寂しいと思ってしまうのは完全に梅原さんの事を想い過ぎてしまってるんだと感じた。

「Aちゃん？」
『…あっ、すみません。明日のスケジュールですよね、えっと』
「それさっき聞いたよ。梅のこと心配なんだね」
『はい…大丈夫かなって』
「だよね。俺も心配。でも入院なんてしてました？みたいな顔して戻ってくるから大丈夫だよ。梅が退院するまでは俺で我慢してね」
『そんな我慢だなんて…！頑張ります！』

今は八代さんのその優しさが私の胸を締め付けるんだ。梅原さんのことが好きでたまらなくなってしまった。寂しくて仕方ない。会いたくて仕方ない。

八代さんの現場が終わったあと病院に向かった。