ロマンスな出会い【梅原裕一郎】 (ページ20)

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考えることページ20

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ハッと目を開けるとそこは知らない部屋……じゃなくて梅原さんの家だった。仮眠と言ってたから15分分くらいしか経ってないんだろうなと思って時計を見たら7時をさしていた。

『ん…？タイムスリップして7時になったのかな』
「気持ちよさそうに寝てたじゃん」
『梅原さん！もしかして！』

テレビを見たら朝の情報番組が流れていた。

『全然仮眠じゃない！なんで起こしてくれなかったんですか！』
「起こしたよ。全然起きなかったじゃん」
『んなっ…本当にすみません……』

これ前もやったな。あの時は私ん家だった気がする。
そして今回は梅原さんの家。

『やっちゃった…はぁ…』
「やってはないから安心して」
『そっちじゃないです！ご迷惑かけてすみません…帰ります』
「帰んの？このあと現場じゃん」
『そうだった…それまでにまた迎えに来ますので』
「ん、よろしく」

玄関まで見送ってくれて、車内に入った。
私何やってんだ。こないだと同じようなことが起こってるじゃん。しかも今度は私が彼の家へ行っていた。

それにしても、寝起きに見た梅原さん。まだ眠そうで可愛かったな。あとブランケットも掛けてくれてた。案外優しいところあるんだな。

帰宅してシャワーを浴びて化粧もした。もう一度梅原さんの家へ向かう。

「さっきぶり」
『はい…』
「そんな気にしてんの。別に何も起こってないんだしいいじゃん」
『だって…』
「じゃあ気になんないようにすればいい？付き合う？そしたら何か起こっても何とも思わないでしょ」
『そういう問題じゃないです…！それに…』
「それに？」
『や、なんにもないです。行きますね』

梅原さんから出た「付き合う？」という言葉に過剰反応してしまった。冗談だと分かってるのに。変に意識してしまうじゃないか。

現場に着いても梅原さんの言葉がずっと脳内に残っている。梅原さんが彼氏になったら？こんな私相手だとお似合いではないんだろうな。それは分かる。

でも案外優しかったり…？ブランケットかけてくれたし。あと仮眠とっていいって言ってくれたし。親戚のお子さんとゲームさせてくれたし。

「なに百面相してんの」
『わっ…梅原さん。お疲れ様です』
「お疲れ様。帰ろ」
『はいっ』

置いて行かれないようについて行く。なんか今日は考えることが多すぎたな。