ロマンスな出会い【梅原裕一郎】 (ページ34)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:72,816 hit

自覚ページ34

．
．

自分からマネージャー辞めろと言ったが、Aが担当を辞めて他の人が担当になってからというもの、自分でも引くくらい嫉妬している。

八代と同じ現場になることはそんなに多くはないけど、少なくもない。そこそこの頻度で会うから、そのタイミングでAにも会えるけど、今は八代のマネージャー。俺なんか見てない。

帰って来てからもほとんどPCに目を向けて会話も減った。まだ一緒住んでない時の方がスキンシップは多かったと思う。
そんな事1ミリも考えてなさそうなAに若干イラッとしつつも、一生懸命仕事に向き合ってる姿を見ると好きだなと感じる。

今日はやっと休みが被ったから前日の夜から張り切ってしまって、出掛ける場合じゃなくなった。

『梅原さん……お茶ください……』
「はいはい」
『ありがとうございます…』
「ほんとに年下か？若いのに体力無いな」
『梅原さんがありすぎるんですよ！』

腰をさすってやると『なんかやらしいからいいです』と言われた。なんだそれ。それにしても昨日は可愛かった。

無茶苦茶にされてるのに、そんな奴に手を伸ばしてハグを求めてくる様子が愛おしかった。

「可愛いな、お前は」
『どうしたんですか急に』
「別に」
『最近、梅原さんなんか顔怖かったから久しぶりに優しい顔見れてよかったです』
「怖かった？」
『はい…ずっと眉間に皺寄ってました』

それは自覚がなかった。嫉妬でイライラしてたのは分かってたけど、見た目にまで現れてたなんて。

『八代さんも怖がってました』
「この期に及んで他の男の名前出すとかいい度胸してるな」
『えっごめんなさいそんなつもりじゃ…』
「なんで眉間に皺寄ってたか分かる？」
『えっと……お嫉妬されていたという感じてすかね……』
「分かってんじゃん」

物分りのいい彼女でよかった。
頭を撫でたら猫みたいに擦り寄ってきて、こいつ…となってしまったがそれは置いといて。

『心配しなくても梅原さんが一番大好きです』
「心配なんてしてないけど俺もAが一番」
『一番、なんですか？何が一番なんですか？』
「うるせえな、腰砕くぞ」
『勘弁してください…！』

そう言ってAは毛布を頭まで被った。追いかけるようにして自分もその中に潜り込んでやった。