なみだぼくろとオオカミ。（黄） (ページ45)

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貴『…』

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貴『キターーーーーーー！！！！！』

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リビング、母親の前でそう叫ぶ。

いやぁ、機械が証明してくれたよ。

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貴『３８．３！！』

母親『いや、ふつうに元気そうじゃん。』

横山『嬉しそうやし。』

貴『体温計が証明してくれましたぁー』

横山『うっわ。腹立つわぁー笑』

母親『お兄ちゃんは早く大学いきなさい。』

横山『あー。なんか喉乾いたなー。』

貴『はい。水筒。』

横山『…』

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ドヤ顔で水筒を渡す私に対して、

悔しそうに水筒を受け取る兄。

あとで、『いってらっしゃい』ってニッコリ笑顔で言ってやろう。

やば。楽しい。

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母親『じゃあ、学校には行っておくから薬飲んで寝といてね。』

貴『うん。昼ごはんどうすればいいの？』

母親『お金おいとくから昼になったら買いに行って。』

貴『病人だぞ。』

母親『おつりはあげるから。』

貴『行きます。行かせてください。』

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これで、アイツに会わなくてすむ。

どーせまた学校来ないんだろうけど、

なんか、

また道で会いそうで。

体弱くてよかった。

あーあ。

私は本当に臆病者だ。

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