アイを探しに２ (ページ6)

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何処からか何かを持ってきた照。紙みたいなモノ。
私は短くなったタバコを灰皿に押し付ける。

ゆっくり私の所に来て。随分と上にある照の顔を見る。その表情は？汲み取れない。

「やる。」
「…は？」

紙をぐ、っと胸に押し付けられる。紙にしては薄くて私は理解出来ないままそれを手にする。

薄い紙切れ。

…紙切れなんかじゃなかった。

「…え？」

驚きで心臓が激しく動悸するのが分かる。ドキドキとその動悸が身体中全てを包み込む。

紙に書いてある文字がユラユラと揺れた。

「………婚姻届…っ、」

ユラユラ揺れる目線の先に照が居て。瞬きをしたら涙が零れた。

「お前の事を俺のモノにしたい」
「…っ、」
「一生、俺の隣でワガママ言って笑ってろ。」

ロマンチックなセリフなんかじゃない。でもその言葉全てが照らしくて。
ムードなんかないいつも過ごしているこの場所で。
照は私に一生忘れられない言葉をくれる。

頷く事しか出来ない私をこれ以上ないくらい優しく抱き締めてくれて。

「泣きすぎだろ」

なんて笑ってる声が耳に届く。

照は私の全てだ。
今まで決して幸せとは言えなかった人生だけれど、
この人と出会う為にこの人の隣に居るためだったじゃないかって。

私は今日もこれからもずっと照と生きていく。

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