この恋が君を殺すまで。Hikaru.I ページ20
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崩れた愛の痕跡。
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分かっている。こんな事したって何も満たされない事くらい。満たされるのなんて一瞬だ。一瞬。
今日もAは俺の下で嫌だ嫌だと泣くんだ。
好きなんだろ?俺の事。だからもっと俺が好きだと泣けよ。
「…ひかる…痛いよ…っ、」
「俺の事が好きか?」
「やめて、照、!、」
顔を歪めるA。首に置いた手に力が入る、親指が首に食いこんでゆく、好きなんだよ、A。だから俺だけのものになってくれ。
…俺だけの、モノになってくれ。
このままだと嫉妬で狂いそうなんだ。
誰かの視界にAを入れて欲しくない。誰かをAの視界に入れたくない。俺だけを見ててよ。
「…A?」
繋がったまま、意識を手放したAを優しく抱き締めた。
「愛してる。」
愛の言葉はAに届いただろうか。
夢の中で俺だけを見ていて。
裸のままのAに布団を掛けて俺は落ちている洋服達をかき集めて着る。
冷たいフローリングに座って、眠るAの頬を撫でる。
「俺はどうなってしまう?」
そんな問いにはAは答えない。
顔にかかった髪を耳にかけてあげれば俺がAに開けたピアスでいっぱいだ。
一つ一つなぞる、開ける瞬間が好きだ。Aの耳に穴を開ける瞬間が。
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作者名:とぅーか | 作成日時:2020年7月4日 10時