アイを探しに２ (ページ17)

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カランカラン、とドアの音が鳴って店内に入った。シン…としてる薄暗い店内。ここがどんなお店だなんて何も分からずに無心でこのドアを開けていた。

奥から誰かが歩いてくる。

｢もう、終わりだよ。｣

背の高い男がタバコを咥えながら鬱陶しそうな顔でそう言い放った。
黒髪、短髪、左腕の刺青、厳つい顔。

｢…っ、照…さん…？｣
｢なんだお前。俺の知り合いだっけ。｣

テーブルに置いてある灰皿にタバコを押し付けて私に近付いてくる。

近くに来ると思ったよりも威圧感が凄くて、後退りする。ぐ、っと私に顔を近づけて。

｢お前、名前は｣
｢…A…｣

私を上から下まで見る。そんな事何回もされた事あるのに今までの男のような気持ち悪さは感じない。

｢っはは、お前、なんで靴履いてねぇの。｣

私の足元で目が止まって、笑った。
目元がクシャクシャになって、笑った。

｢へへ、逃げてきた｣

なんか急に笑えてきて、何やってんだろ。自分って。
怖くてただひたすらに逃げて。

｢何。入れてぇの？｣
｢え？｣
｢入れたくてココ来たんだろ？｣

｢ここ？｣

｢お前マジで何者だよ。笑える。ここ、スタジオ。タトゥースタジオだよ。｣

その言葉にぐるりと当たりを見渡せば小さなソファとテーブル。
その奥に病院のような施術台。

｢入れたい…、入れてください…！！｣

私の出した答えはこれだ。

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