アイを探しに (ページ35)

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電車を降りて家路に着く。
家に着くまでの道程、亮平くんからメッセージが来て。

[明日土曜日だけどどこか行く]の文字。

デート出来るのは嬉しい。だから少し大胆になってもいいかな？

[亮平くんのお家にお泊まりしたいです。]
勢いで送信ボタンを押してしまった。
私、ガツガツしすぎ？そう思った途端不安に襲われた。

なんとなく返信を見るのが怖くて携帯を制服のポケットにしまって早歩きで家まで歩いた。

自分の部屋に入ると同時に着信音が部屋に響く。亮平くんからで。

『…もしもし、』
『A？今大丈夫？』
『うん』

さっきのメッセージの後だから恥ずかしくて小さくなる声。

『さっき送ってきてくれたやつだけど』
『うん』

『泊まりはダメ』

聞こえてきた亮平くんの言葉に心臓がぎゅ、って痛くなった。

『そ、うだよね。ごめんね。急に。』
『あーなんか勘違いしてる。泊まりはダメだけど家に遊びにおいで』
『…え？』
『いいよ。ごめん。またAから言わせちゃった』

あはは、って笑う亮平くん。
どんな笑い方をしてるか直ぐに頭に浮かんだ。

『明日楽しみにしてる』
『うん！嬉しい！ありがとう！亮平くん。』

分かりやすくテンションの上がる私。まだ何も決まってないのに。お泊まりはダメって言われたのに。

『あ、ひとつだけ』
『覚悟しとけよ』

亮平くんの低い声が私の耳に届いた。

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