アイを探しに (ページ34)

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「でね、リュウがねここにキスマ着けてきてさー」
「へぇ、そうなんだ。」

机にお弁当を広げて目の前座る親友のサラが赤くなっている鎖骨をトントンと指で叩いた。

サラには年上の彼がいてこんなに真っ昼間から彼とのそーゆー事を話すサラに
私はお弁当を食べながら適当に相槌を打った。

「で、Aはどーなのよ」
「なにが？」
「年上の彼とは！」
「別に普通」

亮平くんとはあの後も普通にデートして門限前に家に送って貰って。

結論から言うと前と何ら変わっていない。

かといって自分から何かアクションを起こせるほど私には勇気がない。

「ふふ～ん。」
「なによ」
「その感じだとえっちはまだなのね」

私は思わず飲んでいたお茶を噴きこぼす所だった。
そんな私をサラは汚ねーって笑ってる。

「A！」
「もう、なに！」
「高三だよ？私達。」

「分かってるよ」

サラはお箸を置いて真っ直ぐ私の目を見て至って真剣な顔でこう告げた。

「大事にされてんのかもしれないけれどちょっとそれって寂しくない？、」

帰りの電車の中。

私はサラに言われた言葉がずっと頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。

大人なキスをくれたのはあの時だけで
手を繋いだり触れるだけのキスはした。
やっぱり寂しいっていうのが私の本音だ。
私の悩みは振り出しに戻る。

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