アイを探しに (ページ27)

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サヨナラ、私。Tatsuya.F ページ27

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蜘蛛は罠を張っただけ、飛び込んだのは私。

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「しにたい」

私の独り言は騒がしい街並みの中に消えていった。

今日は確か彼と一年の記念日で。
話があるって言われて。
私はもう付き合って一年だし、お互い年齢もそういう年齢だし。
なぁんて完全に浮かれてた。だからいつも着ないワンピースなんか着てみたり。

彼が指定したお店は居酒屋だった。
その時に一瞬あれ…?とはなったけど浮かれてた
気持ちが勝ってた私は軽い足取り居酒屋へ向かったんだ。

店員さんに案内されて先に来ていた彼が座るテーブルに向かう。
個室になっているこの居酒屋。

障子を開ければ彼…と、
……知らない女が彼の隣に座ってた。

「は？」
「ごめん、A。」
「誰？」
「とりあえず座って欲しい。」

とりあえずもクソもあるか。

私の頭の中はパニックで店員さんが
私と彼を交互にキョロキョロしていたのでありがとうございます、と声を掛けた。
気まずそうに出ていく店員さんに思わず助けを求めそうになった。

「で、この状況…って？」

「ごめんなさい…」

彼の隣に座っていた女が口を開いた。
なるべく視界に入れたくなくて、見ないようにしていた。

「ごめんなさい、私、彼と浮気してたんです…」
「A、ごめん。俺はこの子と一緒に居たいんだ。」

吐き気がした。
まるで私が悪者の様に扱われてるこの状況に。

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