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番外編 if.7 ページ23

結局私は塵箱ごと探偵社に連れて行かれた。


ねえ。

疾く……。



ここから出して呉れェェェェっ!!!


臭い。

臭過ぎる。



「却説,A。
 話して貰おうか?」


光が射し,目の前には笑顔。

の,太宰。


周りには,心配そうな顔をした人や気難しそうな顔をした人,好奇心の塊みたいな目で見てくる人,無表情でこちらを見てくる人……などがいた。



「仕事があるので疾くここから帰してください」


「君,今マフィア辞めてるんでしょ?」


「辞めてませんよ。
 何を根拠に……」


「乱歩さんがそう云ったからだ。
 それじゃあ足りないかい?」



何云ってんだろこの人。


「では,乱歩さん。
 何故私がマフィアを辞めていると思ったんですか?」


私は乱歩さんらしき人の方を向いて訊ねる。


「えー。
 だって君,何時もその辺フラフラしてるし,マフィアのビルに這入るところなんか見た事も無い。
 それに,敵組織である探偵社に殆ど毎日来ているのにお咎めなしなんて。
 これの何処がマフィアだって?」


「貴方ストーカーですか?
 人のプライベートにズカズカ這入り込んで来て。
 気持ち悪い」



云ってやったら,名探偵は少し悲しそうな,傷付いた様な顔をした。

一寸云い過ぎたかな?


まあ良いや。



「はァ……。
 確かに,私は既にポートマフィアを抜けています。
 が。
 それは貴方方には関係ない話ですよね?」

誰も答えない。

「疾く帰りたいんです。
 もう此処にも来ませんから。
 今迄ありがとうございました」


私は塵箱の中で立ち上がり,外に出ようとする。


「逃がさないよ」


笑顔の太宰が,私の頭に塵箱の蓋を載せて云う。


はぁ……。

心の中で大きな溜息を吐いた私は,思いっきり太宰の腕を蹴り上げた。

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SEA(プロフ) - 村人Cさん» コメントありがとうございます。全然更新してなくて本当に申し訳ないです……。頑張ります! (__) (2023年2月10日 23時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
村人C - 更新楽しみにしてます (2023年2月9日 22時) (レス) @page23 id: 5242a52298 (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - 南無いちさん» コメントありがとうございます。おかげさまでめっちゃ頑張れそうです笑 これからもよろしくお願いします! (2022年12月27日 16時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
南無いち(プロフ) - 切ないのに甘くて最高です!!!if編も読めるなんて感激です!!更新楽しみです!!頑張って下さい!! (2022年12月27日 16時) (レス) id: b659a75de8 (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - エリスさん» コメントありがとうございます。最近更新できていなくて申し訳ないです……。良いものが書けるよう頑張ります。 (2022年12月27日 12時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SEA | 作成日時:2022年11月26日 12時

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