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「ぐっっっ…。」
慣れない痛みに，私は顔を顰める。
此の人から感じる，気配。
本気だ。
此の人は本気で，私を殺そうとして居る。
何故か不意に，夕方，少年と，此の人に逢った時の事を思い出した。
そして今，私の頸を絞めている包帯を見る。
暗いせいでよく見えないけれど，何と無く，穴の開いたような無表情なんだろうな，と思った。
今まで感じた事の無い感情が，私の中を駆け巡る。
段々と，私の頸を絞める力が強くなっていく。
抵抗する気なんて無かったのに，私の腕が，包帯が巻かれた彼の腕を掴む。
頭がクラクラしてきた。息が苦しい。
死＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
さっき自分で頸を斬った時より，頭を撃った時よりもなお強く，��死��を感じた。
(もう，無理。)
彼の腕を掴んでいた私の手が，だらりと下に垂れた。
もう意識の糸が切れる。
そう思った瞬間，何の前触れもなく，私の躰が地面に崩れ落ちた。
包帯が，手を離したのだ。
「え…なんっっっ ゲホッゴホッゲホゲホッッ…」
なんで？ と尋ねようとしたのに，其れも叶わず，私は蹲ったまま咳込んだ。
少し落ち着いてから顔を上げると，包帯は既に，私に背を向けて歩き始めていた。
その背中に，私は問いかける。
「なんで？ なんで殺して呉れなかったんですか?!」
包帯は立ち止り，私の方に少しだけ顔を向けて，口を開いた。
私は一言一句聞き漏らすまいと，彼の口元を注視する。
だが。
まるで，最初から開くべきでは無かった，とでも云う風に，彼は口を閉じ，前に向き直った。
そして再び前を向き，今度こそ，歩き去って行った。
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SEA(プロフ) - 結和さん» コメントありがとうございます。なるほど（笑）確かにそうですね。更新もうしばらくお待ちください…… (9月20日 19時) (
レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
結和 - 早く死にたいんだったらさぁ、わ！た！し！は！死にたいのぉぉぉぉぉぉぉ！！って叫んだらええやん。。。って思ってしまった。 この作品好きです (9月19日 7時) (レス) @page41 id: a19816eba0 (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - 中野翔子さん» コメントありがとうございます。私にはもったいないお言葉，ありがとうございます。すごく嬉しいです♪ (2022年11月19日 16時) (レス) @page39 id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
中野翔子 - すごい！面白いです！ (2022年11月12日 21時) (レス) @page38 id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - りんるさん» コメントありがとうございます。待ってくださっている方がいると思うと，すごく嬉しいです！ ありがとうございます。頑張ります！ (2022年9月3日 10時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEA | 作成日時：2022年6月11日 23時
