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「Aちゃん、

そんな見つめられたら緊張して運転でけれへんよ」




「へっ?あ、ごめんなさい」



「フェアちゃうわー。

俺は、可愛くおめかししてる姿、じっくり見られへんのに」



前を見据えたまま、横からでもわかる八重歯を覗かせたはにかんだ顔でそういう彼を、どきどきしたままやっぱり見つめていた。



「ごめんなさい。

………でも、幸せやから、やめません」





目に焼き付けたいと思った。
オレンジに染まるこの車内ごと。



「あんまそんなん言うたら、行き先変えて俺んち連れてくけど」




その顔が少し赤らんだのは、夕陽のせいなのか、違うのか。




「私とみたいって、思ってくれたんですよね、花火。」




(ほんま、ずるい子やわあ。)



そんなぼやきのような独り言は、聞こえないふりをして。

さっきよりも馴染んで聞こえたラジオパーソナリティの声を片隅に、段々と自然が多い道に進む景色を私の視界は確かに捉えていた。






「ほら、ついたで。」






そこは、小高い山の上で。
日が沈みかけた空は、雲に太陽の色が溶けて、幻想的な色をしていた。



流れ星に願い事をしたら叶うっていうなら、
たくさん光が打ち上がる今日の空は


わたしの願いを聞き届けて、くれるだろうか。



そっと、流れるように握られた右手を、
私の今の気持ち、全部を込めて、

小さく小さく、握り返した。







to be continued……
.

もしものとある夜1→←6



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きゃめ(プロフ) - HanNAさん» わー!ありがとうございます!長々引っ張ったけど花火のシーズンに終われてよかったかなって思ったりします笑 りんご飴いいですよね!食べるたび妄想に使ってもらえたら嬉しいです^_^ (2021年8月17日 12時) (レス) id: e2386f9ce6 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - きゃめちゃんおつかれさまでした…!リンゴ飴食べたくなっちゃいました☆ (2021年8月16日 18時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゃめ | 作成日時:2020年10月14日 17時

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