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思い出しながら作ったハイボールは
やっぱり思った通りの味に、ひとつもならなくて余計に悲しい。
「なんか、おいしくない」
記憶の中。
この場所で笑ってわたしにグラスを渡した彼の顔は、ぼやけてよく思い出せない。
むしろ、春の初めの夜空の下の記憶の方が、自分の中で鮮明でキラキラ光っている気がして。
思い出ばかりに縋り付く自分が情けなかった。
トントントン
ドアの音が、３回。
「開け、ごま」
遅れて聞こえた、彼の声。
「かわい、さ…」
大好きな、声が聞こえて。
早まる鼓動と、胸につっかえた感情のせいで掠れた声しか出なかった。
アルコールも手伝って、緩んでいた涙腺は、言うことをきかなくなって、堰を切ったように涙が頬を伝う。
「あれ、おらんの、かな…」
扉越し。
靴底のジャリ、という音は、遠ざかろうとして。
「まっ、まって！」
慌てて開けた扉、隠したかった涙もそのまま。
「おった、」
私の顔を見て、ふにゃりと笑う。
下がった目尻が優しく皺を作る。
ゴツゴツした、でも細くて綺麗な指先でわたしの目に溜まった涙を優しく拭って。
「一人で泣かんとってって、言ったやんか」
ドアノブに置いたままの腕を強めに引かれて、
また、閉じ込められてしまった。
少し早い心臓の音、高めの体温。
走ってきて、くれたのかな。
「いや、原因、俺か。」
……そんなん、自惚れやんな。
そういって、すこし切なく歪められた顔を、抱き締められたままの腕の中で見上げた。
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きゃめ(プロフ) - HanNAさん» わー！ありがとうございます！長々引っ張ったけど花火のシーズンに終われてよかったかなって思ったりします笑 りんご飴いいですよね！食べるたび妄想に使ってもらえたら嬉しいです^_^ (2021年8月17日 12時) (
レス) id: e2386f9ce6 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - きゃめちゃんおつかれさまでした…！リンゴ飴食べたくなっちゃいました☆ (2021年8月16日 18時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃめ | 作成日時：2020年10月14日 17時
