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＊
「得意料理はなんなん？
賢ちゃんはいろいろ食べさしてもらってんねやろ？」
「賢志郎さん、なんでも食べてくれるから…作りがいがあります」
賢ちゃんはもう目も当てられないくらいでろでろな顔をしている。
「わたし、一番得意なのは、アップルパイです」
そのだらしない顔が、すこし歪んで。
「俺、食べたことない」
「だって、賢志郎さん、甘いのそんな好きじゃないでしょ？」
「そーやけど…」
そっから、賢ちゃんはあんまり喋らなくなって。
メシのきりもよかったし、
早めにお開きにすることにした。
「今日は、ありがとうございました。なんか、ご馳走になってしまって…」
「そんなんええよ。
それより、早く賢ちゃんのこと行ったって。たぶんもう独り占めしたくて限界なんやって」
「なんか、怒らせちゃったかな…」
「あいつのちっさなヤキモチやって。見捨てんとってあげてな、」
「いやいや、愛想尽かされちゃうかもしれないのは私の方ですよ。
わたし、まだ全然大人じゃないし。
きっと賢志郎さんはめんどくさいこといっぱい我慢してるから…」
少し寂しそうにそう言う彼女は俯いていて。
下向きの睫毛が影を作っている。
「でも、わたし。
見つけてもらえたって思ってるんです。」
「え？」
「こんな沢山の人の中で。
あんな素敵な人が、私を見つけてくれたから。
奇跡みたいだなあって、いっつも思ってるんです」
俯いた顔を挙げて。
キラキラって効果音がつくような笑顔で、そう言った、彼女。
こんなこと言ったら、また子供みたいって思われちゃうから。
内緒、ですよ。
嬉しそうに、口元を人差し指で押さえながら笑う。
そんな彼女は、賢ちゃんが心配する必要がないくらい、賢ちゃんしか見えてない。
わかりやすいくらい、隙のない両思いやんか。
何をそんなに不安やねん。
「それじゃ、また」
ありがとうございました！
と大きな声でこちらに手を振りながら、
遠くで待ってる賢ちゃんにすぐに駆け寄りに行く小さな後ろ姿。
それが絵に描いたようにお似合いの姿で、
なんだかこっちまで、恥ずかしくなった。
なあ、賢ちゃん。気づいてる？
Aちゃん、絶対お前のことしか名前で呼ばへんのやで。
これだけ打ち解けても、ちゃんと線引きできる子。
誰より、お前のこと一番に考えてる証拠やんか。
やから、思ってること、伝えな、あかんよ。
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きゃめ(プロフ) - 朱星さん» 好きと言ってくださってありがとうございます！一緒に夏を楽しめるといいなあと思ったので嬉しいです◎いくつか刺さりましたよ！頑張ります！よかったらまたリク飛ばしてください！ (2020年9月8日 18時) (
レス) id: e2386f9ce6 (このIDを非表示/違反報告)
朱星 - 夏のお話めっちゃ好き！今年の夏は何もなかった…。妄想補填大賛成！お祭り、花火大会、プール、海、星空、バーゲン、夜景、夏期講習の帰り道。何か変なのもありますが、どれか、きゃめさんにさされー(笑) (2020年9月7日 20時) (レス) id: acf62d2dcf (このIDを非表示/違反報告)
きゃめ(プロフ) - ますみさん» コメントありがとうございます！リアクションがあると書いていてとってもやる気になりますので嬉しいです。貧血のときの朝ってもう最悪じゃないですか…その先にこんくらいイベントあるなら頑張れるかなって妄想にお付き合いくださりありがとうございます◎ (2020年9月6日 10時) (レス) id: e2386f9ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - 今度は川西さんですね。関係性も凄く良かったです。川西さんの優しさもあってちょいツンデレな川西さんにキュンキュンしました。確かにこの時の貧血はやばいですもんね。むっちゃ共感しました。 (2020年9月5日 21時) (レス) id: cc9c552fc9 (このIDを非表示/違反報告)
きゃめ(プロフ) - ますみさん» 自分の気持ち乗せまくって書いたので共感していただけるのとっても嬉しいです。お待ちしております◎ (2020年9月5日 9時) (レス) id: e2386f9ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃめ | 作成日時：2020年9月4日 21時
