短編

はまいえ1 ページ2

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よく考えたらさあ。


女子って、月の半分は体調悪いやん。


まあ、我慢できるっちゃ、できるんだけど。


しんどいといえば、しんどいんよね。








「………、はあ…」



一言で言えば、体調は、よくない。


貧血やし、お腹は鈍く痛い。



我慢はできるし、これを今更しんどいと喚く年でもない。



いつも通り、デスクに向かって叩くキーボード。


あんま。酸素のまわってない鈍い動きの思考回路を何度も励まして打ち込む。



拍車をかけてちゃんと寝たのに睡魔までプラスされる。





(貧血、酷なるけど……コーヒー買ってこよかな)









「ほれ」



「っ、うわ、びっくりした」



目の前に差し出されたペットボトル。




「顔死んでんで」




長い指先から、ペットボトルを受け取る。






「………、ありがと」


「お前が素直やとなんから調子狂うな」




むりすんなよ



そう言い捨てて席に戻って行ったのは、同期の濱家で。




背が高くて、スタイル良くて。


男女問わず分け隔てなく話しやすくて、女性社員には結構人気の物件。



物件ってなんやねん。




かわいい受付嬢の子とできてるって噂がちょっと前にあったけど、真相は知らない。



まあ、でも。



コーヒーじゃなくて、ホットレモンチョイスしてくるあたり、よく、人のこと見てんだよなあ。





少しだけさっきよりはっきりした視界、さっきより回るようになった思考は。


いらんことを考えないように振り払って、仕事に戻った。





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