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ーAsideー
返信を終えリュックを背負い窓から隣の家の屋根に降りる。
そのまま屋根伝いに移動して目指すのは浅野家。
物陰に身を潜めてしばらく様子を伺っていると玄関が開いたらしき音がした。
姿を現したのは学秀。そのあともう少し様子を伺っていたが理事長さんが出てくる様子はなかった。
別々で行っているらしい。車はあるからまだ家にいるのだろう。
私に気づかず先へ先へと歩いていく学秀を呼び止める。
『学秀』
「っ！？……なんだ。君か」
『おはよー』
「おはよう。家この辺なのか？」
『違うよ。学秀と一緒に行こうかと思って』
「誰かに見られたらどうするつもりなんだ」
『付き合ってるよー！！って、うわっ！？びっくりした……』
学秀の手が振り上げられたかと思うと頭に衝撃がきた。殴られた…？
『い、いったーい』
「…なんだその微妙な反応は」
『いや、思ってたより痛くなかったから』
「……」
『え、なんで黙っちゃうの』
「別に」
スタスタと早足で進む学秀。急いでいるのかな。
『そういえば昨日連絡くれなかったね』
「特に何もなかったからな」
『あー』
会話続かない。私が振ってる話題がダメなのか。
『好きな人いるの？』
「それを知ってどうしたい」
『バカにしたい』
「性格クズだな」
『学秀に言われたくない』
「僕は君ほど性格が悪いつもりはない」
『
こいつ話広げる気ないんだな。なんだよ、手組んでる仲なんだから相棒ってことじゃないの？
「……昨日、久しぶりに夢を見たんだ」
『……え、夢？』
「ああ。君が出てきた」
『私…』
「君は夢の中で僕にこう言った。「お前に価値はない。生きていてもどうしようもない人間だ」と」
学秀は歩みを止める。そしてゆっくり私の方を向いた。その目はとても悲しげだ。
捨てられることを悟った賢い子犬のように、濡れた瞳を震わせている。吸い込まれそうな綺麗な目。
「君もそう思うか…？僕に生きる価値はないと…」
私はその目に吸い込まれないように自分を抱きしめた。
『…他人に生きる価値があるかないかなんて私が決めていいことじゃないよ』
我ながら酷く曖昧な答えだと思った。
学秀は靄が晴れないのか曇った顔をしていたが、「そうか」とつぶやいてまた歩き出した。
私はその背中を追いかけて小走りする。
『学秀…』
「なんだ」
『ごめんね』
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
