227:お偉いさん ページ27
ーAsideー
『……いや、です』
目力だけで殺される。
そう察知できた私の脳みそを褒めてあげたい。
これは逃げなければまずい。
掴まれた手を解こうと身じろぎするが、それはほぼ無意味に思えた。
こいつ本当に人間か…？下手したらあの無課金ゴリラよりも握力が強いんじゃ……
「…そうですか。まぁいいんです。断られるのは想定内だったので」
『じゃあ離してもらえます？』
「それはできませんね」
理事長さんは私の腕を掴んだまま何か考え事をしているようだった。
そして何かいい案が浮かんだのか私に胡散臭い笑顔を向ける。
理事長さんが口を開きかけた時、
「あの！」
「ん？」
「Aに何を…？」
カエデは恐る恐る理事長さんに尋ねた。震える手は私の体操着を掴んでいる。
「
「なんのっ」
「茅野さん。踏み込んではいけないところまで踏み込んでしまったら…後戻りはできませんよ？」
カエデは青ざめてその場に座り込んでしまった。
『カエデ！！』
カエデに掴まれていない方の手を伸ばそうとすると反対側の手を思いっきり引っ張られる。
そして目の前に理事長さんの肩が見えたかと思うと、一気に目線が高くなる。
『なっ！？ちょっと！！下ろして！！』
どうやら担がれたみたいだ。
「理事長先生。東雲さんをどこへ…？」
タコ先生が理事長さんを止める。
「少し本校舎の方へ。烏間先生」
烏間は呼ばれた意味がわかったのか理事長さんの隣に並ぶ。
「烏間先生も一緒なら文句はないですか？」
「にゅ…」
「…では。行きましょうか」
烏間はみんなに教室で待っているようにと指示をし、
理事長さんと、理事長さんに担がれた私と共に本校舎へと向かうのだった。
ー
【理事長室】
理事長室という一室に連れてこられた私たちは、高級そうなソファーに座らせられる。
「それで、お話というのは」
烏間が話を切り出すと、理事長さんはそう急がずとも…。
と、最初から部屋にいた女の人に耳打ちをした。
この人は本校舎の先生なのかな。それともメイド？
「…まずは珈琲でも」
理事長さんがそういうと、目の前にコーヒーカップが置かれる。
焦げ茶色の液体。
理事長先生の目を見ると、私を品定めするように見ていた。
この人の心が読めない。
心が読めない人は苦手だ。知らないうちに沼にはまってしまうから。
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
