180:殺し ページ30
ー烏間sideー
「ナイフを使って俺を殺せ」
ナイフを持って立ちすくんでいた東雲さんは、俺の言葉にピクリと反応して構えの姿勢をとる。
そしてわかりやすく上がる口角。東雲さんはナイフを器用に回すと、地面を蹴り上げる。
彼女の動きは最初に比べ人間技に近いものになっていた。
だが、そこに喰種の良さも秘められている。力強い蹴り。身軽さ、しなやかさ。
『っは！』
歪んだ笑みを浮かべた東雲さん。首にゴム製の異物が当たる。東雲さんはナイフを横に引き、俺の首を切った。
「っ！？」
思わず首に手を当てる。切れていない…？
冷や汗が背中を伝う。
『私の勝ちですね』
勝負をしていたつもりはなかったが、これが本物のナイフなら俺は確実に死んでいただろう。
そういう意味では、
「ああ。俺の負けだ」
『やった！』
東雲さんはさっきの歪んだ笑みとは結びつかない、自然で年相応な柔らかい笑みを浮かべて喜んだ。
『じゃあもうグループ活動していいですか？』
「ああ」
俺に背を向け茅野さんのところまで走っていく。足に少し筋肉がついた気がするな。
それからあの安定感のある走り。体幹も優れているのか。喰種は人間よりも筋肉がつくスピードが速いのだろうか。
それとも何か訓練をしているのだろうか。疑問は絶えない。
あれから喰種について調べてみたが喰種についての詳しい情報は明かされていなかった。
一般人が下手に知識をつけないよう、捜査官内での黙秘事項にでもなっているのだろうか。
喰種。
限りになく人間に近く、限りなく人間から遠い。
人肉を食糧とする化け物。
五感は人間よりはるかに優れていて、身体能力も極めて高い。
俺はこの生徒を、正しい方向へ導いてやれるのだろうか。
そもそも喰種にとっての正しい方向とはなんなのだろう。
ー
ーAsideー
グループで活動するのは烏間との訓練よりも楽しかった。
ただ、烏間の時の何倍も何十倍を気をつけないといけない。
そういう意味では烏間の方が楽だ。
授業が終わった後、更衣室に入ろうとして足を止める。
烏間何か対策してくれたのかな。
「どうしたの？」
『なんでもない』
恐る恐る更衣室に入ると、この前よりかは匂いがマシになっていた。
上からする騒音に目を向けると、換気扇が回っている。
「いつの間についてたんだろうね」
「なんのための換気扇？」
「さぁ」
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eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！ウタさんいいですよね！！頑張ります！ (2019年3月24日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - とっても面白いです！！私ウタさん大好きなので本当にはまっちゃいました！これからも更新楽しみに待っています！！頑張って下さい！！ (2019年3月23日 21時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - みっこさん» ああありがとうございます！！！嬉しい限りです！戦闘シーンってどう書いたらいいのかわからず毎回更新詰まってます…。申し訳ないです！できる限り頑張って更新しますのでお待ちくださると嬉しいです！！ (2019年3月22日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
みっこ - この小説気に入っていて何時も見直して更新楽しみにしています！少しずつ更新頑張って下さい！ (2019年3月21日 22時) (レス) id: f38aff3a8c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 東條うたさん» ありがとうございます！すっごく嬉しいです！！そうですね！健康第一(？)なので無理しすぎない程度で頑張っていけたらなと思います！ (2019年3月13日 14時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年2月22日 0時
