6:衝突 ページ6
ー渚sideー
何があってかわからないが、いつの間にか業くんと東雲さんが何やら言い合っていた。
2人から席が遠い僕は2人の会話が聞こえなかった。
が、何やら空気がピリピリと張り詰めているのがわかった。
その様子に気付いたみんなも次第に静かになっていき、2人の会話が僕の耳にも届くようになる。
「へぇ、言うねぇ。
だいたいあんた、タコがどんな生物か知ってんの？」
『どっちの話ですか？』
「どっちって何？」
『赤か黄色か。そのくらい察してください。バカなんですか？』
「黄色の方に決まってんじゃん。あんたこそ察しなよ。バカなんじゃない？」
業くんは東雲さんを挑発する。
『アレについてはまだ把握していません。
ただ、黄色くてぶよぶよしてて、スピードがとても早い。そして薬品臭い。
ということだけはわかりました』
業くんは顔をしかめた。
僕らも多分、同じことを思っている。
「薬品臭いってどういうこと？」
『アレからは数多くの薬品の匂いがします。とても臭い』
僕らはもう何ヶ月も殺せんせーとこの教室にいるが、薬品臭いと思ったことはなかった。
「薬品の匂いってどんな？」
『そんなの知りませんよ。とにかく、体に悪そうな匂いがするんです。近づかない方が身のためかと』
「そんなこと言ったって俺らの担任だし」
2人は目を合わせて逸らさない。
お互いに威嚇しあっている証拠だ。
「落ち着けよ業。転校生ビビってんだろ。ごめんな」
2人を止めに入ったのは前原くんだった。
『別にあなたが謝る必要はありません。悪いのはこいつです』
東雲さんは顎で業くんを指した。
「は？喧嘩売ってきたのそっちじゃん。売られた喧嘩は買うのが俺の主義だから」
業くんは半ギレ状態で席から立ち上がる。
「転校生だからっていい気にならない方がいいんじゃない？」
『別にいい気になってないです。勝手に勘違いしないでもらえますか？
ていうか、売られた喧嘩全部買うとか子供ですね』
2人の言い争いに再び教室の空気がピリピリと張り詰める。
「はぁ、あんたが男だったら完璧殴り合い」
業くんは大きなため息をついて教室から出て行こうとする。
「業くん、どこ行くの？」
「裏山。こんな奴が隣にいたら授業なんて受ける気出ない」
それだけいうと、姿を消した。
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
