5:出会い ページ5
ー渚sideー
「そう。例えば、好きなものとか」
磯貝くんはそれに気付く様子もなく、笑顔を崩さないままそう言った。
『好きな、もの…。は、珈琲です』
「へぇ！珈琲好きなんだ！大人だね！！カッコいい」
茅野も東雲さんの変化に気づくことなく感想を述べた。
「それでは先生今から本場の珈琲豆を買いにブラジルに行ってきます」
そして殺 せんせーはマッハで教室から出て行った。
『もう座ってもいいですか？』
「あ、どうぞ」
『私の席は？』
「業の隣かな」
『業？』
「うん。業、手あげて」
磯貝くんが呼びかけても誰も手を挙げなかった。つまり
「ダメです、寝てます」
そういうこと。
「あー、えっと。一番後ろにいる赤い髪の…」
『ありがとうございます』
東雲さんは緊張しているのか、顔を強張らせていた。
ー
ーAsideー
赤い髪の男子の隣。
すぐに何処かわかる。だって目立ってるから。
ていうかなんで寝てるのこの人。なんだっけ、業？
転校生が来てるのに寝る人なんているんだ。度胸ありすぎて尊敬する。
横目で業を見ながら自分の席に座る。
私はこんなに多くの人間に囲まれるのは初めてだった。
なるべく誰とも目が合わないように下を向く。
ていうか次の授業なんだ？タコせんせーどっか行ったし、他に授業できる人なんているのかな。
ちらっと隣を見ると、業とかいうやつとバッチリ目があった。寝てなかったのかよ。
「転校生？」
『それ以外に何があるんですか』
あまり深く関わりたくないというのと面倒臭いという意味を込めてそっけなく返す。
「もともと俺の隣にいたけど、影が薄すぎて気づかなかったとか？」
業は目を細めて微笑んだ。
『女子に向かってサイテーなこと言いますね』
「冗談だって。怒んないでよ」
『別に怒ってないですけど。呆れているだけです』
「なんで敬語なの？」
『なるべく親密な関係になりたくないので』
突き放してそっぽを向いても質問は押し寄せて来た。
「なんで？」
『あなたには関係ないでしょ』
「関係あるよ。E組に転校して来たからには俺らと協力して暗 殺してもらわないと困るんだよね。そのためにはある程度仲良くならないと困るでしょ？お互い」
『協力くらいします。が、そのために仲良くなる必要性はない』
「へぇ、言うねぇ」
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
