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ー亜門sideー
今まで感じたことのない感情が俺の中をぐるぐると徘徊していた。
怒り、憎しみ、悲しみ、そんな類のものではない。
感じたことがないゆえに例えることは難しい。
ただ、心が心ではなくなったというのは確かだった。
意味がわからないと自分でも思うが、この例えが一番しっくりくる。
「お前は、どんな気持ちで……」
クズリの言ったことがふと頭に蘇る。
ー『死 んでいった人たちは、どう思いながら死 ぬんだろうね』ー
ー『名誉を守るなんて自己満じゃん！』ー
「名誉…か」
過去は誰も変えることができない。
こいつが死んでしまったことも、俺が喰種を逃してしまったことも。
せめてもの敵討ちとして仕留めるべきだった。
だが、それは
「どうして俺のアタッシュケースをっ」
俺が無防備にアタッシュケースを置いておいてしまったばっかりに…、
俺が今持っているアタッシュケースは偽物だ。中身は空。
クインケのかけらさえも入っていない。
俺のせいでこいつは死んだ。
死後硬直が始まった彼に触れる。
「すまない」
もがき苦しんだような苦痛を浮かべた顔。
見開かれた彼の瞳と目があった。
ー
ーAsideー
『ねぇウタさん』
「ん？」
ウタさんは誰かのマスクの下書きをしながら私の相手になってくれる。
「お腹すいた？おやつ食べる？」
差し出されたお皿には、コロコロした…アレ。
『あー、いいや。
そんなにお腹も空いてないし』
「そう」
『うん。そういうんじゃなくて、』
そう、お腹がどうとかはどうでもいいのだ。
本題は二つある。
「何？本題？」
『うん。二つあるの。どっちがいい？』
「どっちの方が面白い？」
『どっちも面白くないよ。真面目な話』
そう言うと、ウタさんは手を止めて体ごとこちらに向いた。
『え？何？改まって…』
変な空気が流れる。
これが俗に言う気まずいってやつか。
初めての体験。
「大事な話なんでしょ？ちゃんと聞いた方がいいかなって」
これが俗に言うキュンとするってやつか。
ウタさんに会うと毎回なる気が…。
気のせいかも。
『えっとね…、なんか改まると恥ずかしいな//』
「恥かしい話なの？」
『違うよ！』
「じゃあどんな話？あんまり重い話だと息詰まっちゃうよ？」
『今から話すからちょっとお口にチャック』
「はい」
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
