43・ ページ43
ーAsideー
ヌルフフフ、と、タコ先生が鳴く。
よくぞ聞いてくれました、待ってました。
そんな顔をしていた。
「全ては君たちのテストの点数を上げるためです」
へぇ。そりゃまたご苦労なこと。
「そうすれば…」
しばらくすると、一人でニヤニヤしながら体全体をピンクに染めた。
「殺 される心配もなく、先生はいいことずくめです！」
一人妄想の中で楽しんでいるタコ先生とは対照的に、クラスの人たちは顔を見合わせた。
「んー、勉強はそれなりでいいよな」
「うん。なんだって暗殺すれば賞金100億だし」
「100億あれば、成績悪くてもその後の人生薔薇色だしね」
タコ先生は焦って起き上がった。
「にゅや！？そういう考えをしますか！？」
その後の話はよく覚えていない。
覚えていないというか、聞く気が無くなったから聞かなかっただけ。
業も自分の席からタコ先生の話を聞いていた。
聞き流してるかもしれないけど。
「A」
『っ、ん？』
業に名前を呼ばれてハッとする。
周りを見渡せば、ほとんどの人がいなくなっていた。
『あれ？みんなどこ行ったの？』
「校庭」
『なんで？』
「さぁ。どうでもいいから早く行くよ」
どうやら強制参加らしかった。
大人しく業の後について行く。
タコ先生は、みんなと離れた場所に立っていた。
そして、
独り言なのか、
自分に言い聞かせているのか、
みんなに言い聞かせているのか分からないような声でボソボソと何かを言っていた。
校舎からイリーナ先生と一人の女子が出てきた。
反射的に業の後ろに隠れる。
「ちょっと、何よいきなり」
「殺せんせーがイリーナ先生も連れて来いって」
それだけ言って、女子はクラスメイトの中に紛れ込んだ。
「イリーナ先生」
今度ははっきりとした声で話す。
「プロの殺 し屋として伺いますが」
「何よいきなり…」
イリーナ先生はドギマギした表情になる。
「貴女はいつも仕事をする時、用意するプランは一つですか？」
イリーナ先生は不思議そうに顔を歪めてから、はっきり「いいえ」と答えた。
「本命のプランなんて、思った通りに行くほうが少ないわ。
不測な事態に備えて、予備のプランをより綿密に作っておくのが暗 殺の基本よ」
イリーナ先生にこんなことを聞いて一体私たちに何を伝えようとしてる？
掴めない…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
