3:青春 ページ3
翌日、
ーAsideー
【悪夢、再びか】
新聞の一面に張り出された記事にさっと目を通す。
『嘘ばっかり書いてある』
わざとらしく顔を歪ませ、それを机に放り投げた。
椅子の上で伸びをすると「ぐっぅ」と、変な声が漏れる。
特に意味もなく窓を開けると、下から珈琲のいい香りが漂ってきた。
『今日は金木さんかな』
なんて推測をしながら下に降りる。
真新しい制服に身を包み、ご機嫌で階段を降りる。
『おはよ、金木さん』
「おはよう、A」
『どうかな？制服』
手を広げると、優しく「似合ってる」と言ってくれた。
金木さんらしい答えにこちらも顔を綻ばせる。
何も言わなくても差し出される珈琲も、毎回ワクワクしながら受け取る。
『んー、金木さんの淹れる珈琲どんどん美味しくなるね』
「そうかな」
『とても』
残りわずかな珈琲を飲み干さんとした時、
「はよ、A」
『おはよう、お姉ちゃん』
「おはよう、トーカちゃん」
「…はよ」
今日も青春の風が…
「珈琲は？」
「いらない。早く行かないと学校遅れるから。行くよA」
吹かなかった。
『お姉ちゃんがもっと早く準備すればこんなギリギリに出ることにならない「うるさ。早く行くよ」
…はい』
「気をつけて」
カウンターから控えめに手を振る金木さんを全力で無視するお姉ちゃん。
私はお姉ちゃんに引っ張られながら、金木さんに手を振り返した。
『行ってきます』
ー
ー渚sideー
「はっ、つっかれたー！」
「はは、ほんとに。この坂何度登ってもきついよね」
途中から茅野と登校してきた僕は、今日もこの坂を登った。
僕らのクラス3年E組は本校舎とはちがい、山の中の校舎にある。そのため、きつい坂を登らなければならない。
「この坂を疲れずに登ることができるようになったら、それほど体力がついたってことだよね」
僕の急な問いかけに少し戸惑いながらも、茅野はそうだねと頷いてくれた。
そのあと何でもない会話をしながら教室に入った。
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
