49話 心が叫びたがってるのに ページ8
〈Aside〉
「なるほどな…ﾊﾊﾊ
今度はこのガキかぁ…！
ガキ、オレは親切心で言ってやるがよぉ…
コイツには関わらない方が良いんだぜぇ？」
言い終わるより先に、私の髪の毛を乱暴に掴みあげた。
白髪の少年は握っていた私の手首をもう一度強く引き寄せようとするが、
その瞬間オーナーが残った左手で天井のランプに向けて握っていた小銭を打ち当てた。
粉々になったガラスの破片が、白髪の少年目掛けて落ちてくる。
咄嗟に少年の手が緩んだのを見て、そのまま、男が背を向けている調理器具の方へと私を投げ飛ばした。
ガッシャンｯｯｯ!!!
「ｲﾀｯ………………、！｣
全身にジンジン痛みが走るが、そのまま顔を上げて硬直する。
何故なら、先程いた場所に全身ガラスの破片が刺さった白髪の少年がいたのだから───
「お前もそろそろ気づけよ…
今も身を持って体感してるだろ？
コイツは人を不幸にする、、、ってさ！！！｣
彼は言葉通り『ボロボロ』だ。
とても、見てられない。
彼は、私を見つけてしまったからこうなったのか…？
「──────なさい」
「ア？」
「───ごめん、な、さい。
────ごめんな……、さ、ぃ。」
声にならない気持ちが叫びとなって込み上げる。
心のダムにせき止められ、淀み渦巻きせめぎ合い
今、溢れようとする。
誰かに手をとって欲しい。
誰かに縋らせて欲しい。
そんなみっともない自分が、次から次へと湧き出てくる。
私を肯定して欲しい。
その為ならば何でも出来る。
誰か一人でも私を、私自身を見て欲しい。
その為なら、その為に、その為だけに──。
───私は恩を返そうとしたのだから。
本当は“恩”とか“仮”とかどうでもいい。
ただただ、私を肯定して欲しくて。
見て欲しくて。
こんな汚い気持ち、自分の中には無いと思ってた。
存在していない筈だと自分を騙してた。
けれど、時間が経てば経つほどゆっくりと膨張していく。
胸の奥のわだかまりがどんどん膨らんでいく。
──「助けて」なんて言える資格は無いのに。
白髪の少年の表情が見えない。
いや、見れない。
【こんな気持ちになるのなら、二人の手を引くんじゃなかった】
───そんな事、思ってないのに。
【関わるんじゃ無かった】
───思った事、無いのに。
【名前を呼ぶんじゃ無かった】
.
「────何言ってんの、オッサン」
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければボードで会話とかしたいんですがいいですか？お返事お待ちしています (11月21日 14時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - かるぴさん» 見て下さりありがとうございます！更新不定期ですが頑張りますね(´˘`＊) (6月5日 21時) (レス) id: 4c59bf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴ(プロフ) - めっちゃ面白いです…!更新応援してます！ (6月5日 15時) (レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - 入試、頑張ってください！！ (2020年2月25日 3時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - ユーリンチーさん» ありがとうございます！！再来週が入試なので、終わり次第バンバン更新していくつもりです！ (2020年2月23日 7時) (レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤッカー | 作成日時：2019年3月3日 23時
