55話 ページ16
「俺の名前は、林原新太郎だ。
────えっ!?ちょっとめぐさん!?
何で笑ってるんですかぁ!?」
この、若干50代くらいの見た目の男性が落ちてきたのは数十分前。
今はカウンター席の中央に腰をかけて
大きく膨らんだタンコブを冷やしながら
自己紹介をしているところだった。
初っ端からドデカい音で落ちてくるから何事かと構えたが
女将さんにデレデレしている様を見て安心…
いや、落胆かもしれないけれど。
横では、先程のあまりの醜い落ち方を思い出して
必死にプルプルと笑いを堪えている女将さんがいる。
そんな光景を、もう中身が残っていない
湯呑みを持ってただただ見ている私達。
『『………もう帰りたい。』』
表情を見ているわけでは無いが
キルア君からも同じようなオーラが漂ってきたように感じた。
「夫婦で仲良しなんだね！」
と、キルア君の隣で微笑んでいるのは
頭にお花が生えているポジティブ野郎
…ではなくてゴンでした。
─────危ない危ない
今私危うく恩人に暴言を吐いてたよ。
「いやいやゴン！
アレ見てくれはただの仲良し夫婦だけど
ゼッテーオッサンの方
ババアに尻に敷かれてるぜ」
「あー、それは言えてると思う」
「そうかなー？」
目の前で繰り広げられる夫婦のイチャイチャを半目で見ながら会話をする私達。
「帰りてぇー」
「帰る場所ないけどねー」
──っとその時、さっきまでデレデレしていた顔を蒼白に変えた“新太郎さん”
…こと“店主さん”が私達の方へと顔を突き出してきた。
思わず肩を震わせるも、その表情には悪意がある感じでは無く────
「お前たち…………
家、無いんか？」
…
「「「はい、そうです」」」
夏場の流しそうめんよりも
サラリと答えた私達に「ヒｮぇえっっ!!??」と驚きを隠せない店主さんの声が
店いっぱいに響き渡る。
「家無いっていうか、金すらもねぇよな？」
「うん！
というかここが何処かも分からないしね！」
今度は私がえ？と2人を見れば2人とも口パクで「ホント」と口を動かす。
…それは、初耳だったなぁ。
2人の今後に本気で心配になってくる私。
いや、人のこと言えないんだけど。
「お、お前さんはどうなん!?」
「家は焼けました」
オブラートにも包まずにそういえば
店主さんは涙目になってしまった。
「こ、この人いい人過ぎだよ…。｣
“だから変な女に捕まるんだよ”とは言わないでおく。
…後々面倒臭いので。
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければボードで会話とかしたいんですがいいですか？お返事お待ちしています (11月21日 14時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - かるぴさん» 見て下さりありがとうございます！更新不定期ですが頑張りますね(´˘`＊) (6月5日 21時) (レス) id: 4c59bf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴ(プロフ) - めっちゃ面白いです…!更新応援してます！ (6月5日 15時) (レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - 入試、頑張ってください！！ (2020年2月25日 3時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - ユーリンチーさん» ありがとうございます！！再来週が入試なので、終わり次第バンバン更新していくつもりです！ (2020年2月23日 7時) (レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤッカー | 作成日時：2019年3月3日 23時
