53話 トニカクキメタ ページ12
〈ゴンside〉
『ただいま。』
────
この一言に、どれ程の想いが詰まっているのだろうか───。
そう、考えてしまったんだ。
どれ程の苦難と、絶望と、後悔を噛み締めて発したのだろうか。
少しだけ、思ってしまった。
オレの瞳をしっかり見据えて、この言葉を言うことが、どれ程怖かっただろう。
それなのにAは告げたんだ。
言いたくて。
言いたくて。
───
──
そんなの絶対、受け止めたいよ。
「おかえり、A。」
彼女がどんな言葉よりも、どの一言よりも先に言いたかった言葉を脳に焼き付けて、
心からの笑顔とともに告げた。
結局どれだけ考えても、口をついてでたのはコレ。
伝えたかったのは、コレなんだ。
傍ではキルアが微笑み、Aを見つめた。
先程までの天気は嘘のように、空は透き通るような光の根源である月が顔を出している。
空に浮かぶ星々は、オレ達の世界よりも一段と綺麗に見えて──。
そんな、長かった今日を締めくくるのに最適な場所で
今日と言う日を素足で駆け抜けた少女が、口元に笑みを浮かべて
「ありがとう、ゴン。」
……。
「ええええええええええええええええええええええええええええええ───ｯｯ!!!!!!!!｣
「えっ、何？」
「いや！何って今だよっ!!!
今、オレのこと名前で読んで……！」
叫びすぎて枯れかけている喉を、何とか上手く使いながらAに訴える。
嬉しさもあるんだけど！
ってか嬉し過ぎるんだけれども！
──でもどうしても驚きの方が勝っちゃうんだよ!!??
「えっと、、。
よ、呼べって言ったのはゴンの方じゃない。」
───そうだっけ？
そ、そうだった気もするような───。
「だから、私は呼んだの。
うん、そう、そう言うこと。
おーけー？」
「お、おーけー。」
あまりにも一生懸命喋るAの圧力に押されて、咄嗟に返答してしまった。
〈Aside〉
言えた！言えた！言えた！
伝えたかった事！言えた！
緊張で汗ばんだ手が今になって熱い。
…2人には感謝しかない。
本当に、、、
とてつもなく、、、
だから、恩返しをしよう。
これから、二人に、絶対に。
それで、頼られるようになろう。
そしたらやっと、私は自信を持って…
『2人の友達になれる』
だから、二人に甘えない。
二人への好意も伝えない。
私の得意な演技で隠すんだ─────。
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければボードで会話とかしたいんですがいいですか？お返事お待ちしています (11月21日 14時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - かるぴさん» 見て下さりありがとうございます！更新不定期ですが頑張りますね(´˘`＊) (6月5日 21時) (レス) id: 4c59bf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴ(プロフ) - めっちゃ面白いです…!更新応援してます！ (6月5日 15時) (レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリンチー - 入試、頑張ってください！！ (2020年2月25日 3時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - ユーリンチーさん» ありがとうございます！！再来週が入試なので、終わり次第バンバン更新していくつもりです！ (2020年2月23日 7時) (レス) id: a6a42def20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤッカー | 作成日時：2019年3月3日 23時
