2章 12話 別視点 ページ1
__A。
やっぱり聞いたことの無い名前だと、キルアは思う。
自分の名前を呼んだ時のコイツは、まるで間違えるわけが無いというような表情でオレの名前を呼んでいた。
だから、オレ自身も自分が間違えているのではないかと錯覚する程に。
まあ、本人はもう別人だったと結論づけているようなのだが。
スケボーで風を切りながら、横に並ぶAの横顔をチラリと伺う。まあ帽子のせいであまり見えないんだけど。
パッと見だと少年に、でもオレを真正面から呼んだ時は少女に見えた。…やっぱり、よく分かんねぇ。
__けれど、今真っ直ぐに前を見据える姿勢は嘘じゃないと思う。
「んで、さっきお前、オレのことなんて呼んでた？」
「え、キルアって呼んだよ？」
首だけこちらの方を向き、若干の上目遣いでこちらを見上げるA。
「で、その前は？」
「んーと。キルア君__かな」
少しの考え込むような顔つきの末、オレが何を言わんとしているのか察したようだった。頬をポリポリ掻きながら、前へ向き直る。
「…呼び方統一しろってことだよね。
あれだよ、さっき言ったもう1人のキルアって名前の人を君付けで呼んでたんだよ」
「ほーん」
そのオレと同じ名前の、オレ似の奴と分けてるってことか。
「まあ、どっちでも良いけどよ」
「だろうね」
少し苦笑するAをチラリと見遣る。心無しか、口元が緩んでいた。
上から目線かもしれないが、コイツ、こういう表情も出来んだなと思う。
そのまま一言二言交わしながら、群衆の列に続いた。
会話らしい会話が無くても、どこか間を感じさせない空気感。
それが、オレとコイツとの間にあったのだ。
それなのに突然、Aがビクッと身体を跳ねさせる。
「__何だよ？」
「あ、いや、少し驚きというか」
言葉を濁すAに眉を顰めるが、次いでの行動の方に呆気に取られた。
「ごめん、ちょっと靴の紐結ぶから先行ってて！」
そう言って自分の靴の紐を巧妙に踏んづけて蝶蝶結びを解き、同時にしゃがみ込む。
あまりの早業に目を見張るが、そんなオレを気に止める様子は無い。
俺も止まろうかと言いかけるが、凄い剣幕で睨み返される。そのままシッシッと右手で払うような仕草をしてくるのだから、反応に困るのだ。な、何だよ……。
そこまでされて食い下がるのもどうかと思い、オレは止めかけたスケボーに重心を乗せ、スーッと前へ進む。
『折角仲良くなれそうだと思ってたのに』
__そう、少し残念に思う気持ちが残っていた。
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h16ayakaアヤッカー(プロフ) - むぎちゃさん» ありがとうございます！この先のネタがしっかり固まったらまた更新を再開させていただきます！むぎちゃさんのような感想にいつも癒されてますー(*^^*)気分転換にでも読んで下さると幸いです。 (4月13日 13時) (
レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - とても面白かったので一気見しちゃいました（笑）良ければですが 、続きが見たいです！もちろん無理は良くないんですけど、いつか更新されるのを楽しみにしています！ (4月8日 1時) (レス) @page7 id: cc2beb923e (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。はい！遅くなる可能性もありますが宜しくお願いします！🌟、アヤッカーさん！ (11月24日 21時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！マニ。さん！これからもよろしくです！ (11月24日 21時) (レス) @page6 id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。いえいえ！無理せずに休むのも大事です！これからも無理せず応援してます！アヤッカーさん！💝 (11月22日 20時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤッカー | 作成日時：2023年11月21日 16時
