35話 幼女伝記#10 ページ39
「糞が────────っ!!」
さっきまでニタニタ顔だったオーナーが、血相を変えて覆いかぶさってくる。
東京のド真ん中に住んでいる人なら誰でも分かるだろう…。
私、『A』が今どれほど芸能界で叩かれているか、ぐらいは。
それはオーナーも例外ではない訳で、、、
思いっきり私に覆いかぶさり、スマホを奪おうとしてくるオーナー。
私が投稿した写真を削除しようと汗まみれで突っかかってくるが、上手く身体を使って避ける。
「寄越せ!!!!
────っっっっ寄越せーーーー!!!」
よっぽどここの店が大事なのか、それともここの稼ぎが彼にとって大切なのかは知らないが、私に躊躇無く拳を下ろしてくる。
何度も、何度も───。
『痛い、痛い、けど
あんまり痛くないや。』
私の頭には、麻薬に侵されたお婆ちゃんの姿がまだ残っている。
あの狂ってしまった人の顔を──。
だから、こんな外面だけの傷なんて………大して痛くない。
「ふざけるな、ふざけるなっふざけるな、、ふざけるな!!!!」
痛くないはずだから、、、
だから、、、
どうか早く、終わって───────────。
──早く、、!救急車を呼んで!!!!
──このオッサンを早く捕まえろっっ!!!
──Aさん、Aさん、しっかりして!!
──あ、ホントに投稿してるぜ…、この子。
──じゃあ、この店…もうヤバいんじゃね…?
──息はあるっ!!早く病院に!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚めると、知らない天井が視界に入った。
規則正しく貼り付けられた白色のタイル。
シンプルで飾り気のない透明な照明。
身体を動かそうと腰を捻ると、、、
「──」
横には大量の医療機器が置かれていた。
背中には、眠気をそそらせる布の温もり。
自分の上に丁寧に被せられた清潔な布団。
そして、医療機器から鳴り止まない心拍数の音。
これだけの情報があれば誰だって理解出来るだろう。
ココが"病院”だということくらいは──。
そう理解した途端、私が最後に見たと思われる男の顔が鮮明に思い出されてきた。
あの店の、オーナーの顔、、、
「………ゥップ」
でも大丈夫だ。
だってここにはいない。
いないのだから。
だから安心だ。
────────な筈なのに。
身体が言うことを効かない。
それに、、、
『外が、、、怖い。』
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。はい!これからも無理せずに頑張ってください!🌟、応援しまくります!💝 (11月23日 10時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» そう言って頂けれると嬉しいですです!!こちらこそボードでもよろしくです! (11月22日 20時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。いえいえ!本当に最高の作品なのでこれからも無理せずに更新してほしいです!ボードの返事とかも遅めでもいいので仲良くしていきましょう!アヤッカーさん! (11月22日 16時) (レス) @page1 id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» マニ。さん!昨日と今日とコメントありがとうございます!面白いと言って頂けるだけで凄く励みになります!ボードの方も何から何まで…感謝。。また更新したら立ち寄って下さると幸いです! (11月22日 16時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。最初から読み直しました!やはり面白いです!あのアヤッカーさんボードの方に返事送ったので通知来てると思いますのでこれからも頑張ってください!🌟 (11月22日 15時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アヤッカー | 作成日時:2019年1月6日 0時