25話 ちび女優子ちゃん ページ29
<女性店員side>
中々売れない和食屋。
それが今、私が働いている商店街の店です。
端っこにあるせいか、それとも外観が古いせいか、、、
この店が赤字なのは、そんな理由が色々ありまして…。
ま、一番の理由はボロいからでしょうけど。
だから、やって来る客は昔からの常連さんぐらいしかいません。
ホントにいつ潰れてしまっても、しょうがないお店だと思います。
だから、、、
あの糞ガキ達が店に来た時、少し驚いてしまいました。
『このお店に若い子達が来るなんて、何年ぶりでしょうか…。』
整った顔立ちの子供3人を見て、最初は福の神かと考えたぐらいです。
この店を黒字にしてくれるのでは…!とーーー。
今考えてみれば、逆にこの子達(特に少年2人)は貧乏神だったと思いますが。
皿もたくさん割られましたし…。
そう、そう思って気を抜いていたんです。
だから、不意打ちだったと言いますか、、、
もう1人店にいる少女の正体に気付いたとき、かなり驚いてしまいました。
ーーーその時の私は、相手に不快に思わせる態度だったかもしれません。
私が呆気に取られている隙に、彼女は店から走って出ていきました。
私には今の現状がよく分かっていません…。
でも、彼女が逃げたということは、
私の発言が的を射ていた訳でーーー。
やはり、あの少女は…
…A。
あの、芸能界を突然去った女優の
Aなのでしょうかーーー?
ーーーーーーーーーーーーーーー
<Aside>
私は、とにかく走った。
時間も忘れて、ただあの店から離れる為に走った。
夜遅く灯りが無い長い商店街の道を、ただただ逃げる為に走った。
走っているうちに空から雫が1つ、2つと降ってきて、激しい雨にへと姿を変える。
ただでさえ真夜中なのに、雲で空が覆われているせいで余計に暗く思えた。
地面に踵が着く度に水溜まりがボチャンと音を立てる。
勢いよく水が飛び散り、剥き出しの膝に付着してくる。
ーーー鬱陶しい。
この雨も
この場所も
この空気も
………逃げ出してしまった自分も。
全てが私の中で黒い渦になり、モンモンと呻いている。
それを抑えるように歯を噛み締めるが、得られるのは不快感だけ。
ーーー不快感。
私はこの単語のせいである1つの思い出を、脳内で再生してしまったのだった。
26話 幼女伝記#1→←24話 俺が洗った皿がこんなに汚いわけがない
59人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。はい!これからも無理せずに頑張ってください!🌟、応援しまくります!💝 (11月23日 10時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» そう言って頂けれると嬉しいですです!!こちらこそボードでもよろしくです! (11月22日 20時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。いえいえ!本当に最高の作品なのでこれからも無理せずに更新してほしいです!ボードの返事とかも遅めでもいいので仲良くしていきましょう!アヤッカーさん! (11月22日 16時) (レス) @page1 id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» マニ。さん!昨日と今日とコメントありがとうございます!面白いと言って頂けるだけで凄く励みになります!ボードの方も何から何まで…感謝。。また更新したら立ち寄って下さると幸いです! (11月22日 16時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。最初から読み直しました!やはり面白いです!あのアヤッカーさんボードの方に返事送ったので通知来てると思いますのでこれからも頑張ってください!🌟 (11月22日 15時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アヤッカー | 作成日時:2019年1月6日 0時