13話 認識の間違い ページ17
『ほら、すぐ裏切られる。』
……
暗闇からの声だった。
さっきまでの感情がストンと打ち消される。
頭から水をぶっかけられたかのように、思考が冷静になる、そして冷徹になった。
『この世界は、綺麗なんかじゃない。』
___少し目線をずらすと、もう一人の男の子と目が合った。
白髪の隙間から見える鋭い眼光は、私に向けて発されている。
その光に覘く猜疑心と嫌悪感に、安堵感を覚えてしまった。
『____ほら、白髪の君も私の事、嫌ってそうじゃない。』
<キルアside>
ゴンの呑気な説教を背にしながらも
未だ、心の中はゾワゾワしている。
オレはコイツを絶対に信用しないが、彼女も、オレ達を絶対に信用しない。
それが“あの瞳”で分かるのだ。
そして、より増す瞳の暗さに、ずっと喉をつっかえていた言葉が口から飛び出した。
「Aは一体…、何者なんだ?」
「……え」
か細い息のような声が、彼女から発される。
言ってから、怒涛のように後悔の波が押し寄せてきた。
『何で、言っちゃったんだよ……。』
思っていたことを、つい口に出してしまった。
こんなセリフ、モブが言うような言葉じゃねぇか!!!!
オレは内面を悟られぬように、必死に感情を隠す。
天然なゴンが「オレも気になる!」とか言ってくれたおかげで、少しホッとした。
光の無い目でオレ達を見るA。
『一体、何を考えてるんだ……』
<Aside>
白髪の子が、私にとって、とても驚く事を問い出してきた。
『…………え、何者か?』
私はずっと彼らが、私が“誰”なのか分かった上で連れてきたのかとばかり思っていたから。
そっか、知らなかったんだ…。
引き締めていた心が、じんわりと緩まっていくのを感じる。
安堵の感覚が胸の奥から溢れ出てきた。
『良かった………。』
顔の表情に変化が出ないよう、精一杯努力し、
ポーカーフェイスを貫いてみせる。
二人は私の言葉を待っているようだった。
『知らないのなら、知らないままで通せばいい。』
これが私の__今の答えだ。
「…。」
私は黙まりを続ける。
きっとどちらかが、私に価値等無いのだと気付き、見放すまで…。
それが私のとるべき行動だ、と理解している。
二人は私が話す気が微塵も無いのだと気付いたようで、もう深くは聞いてこない。
けれど、その此方をを配慮するような様子に
『変な人達だな……。』と内心笑みを零した。
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。はい!これからも無理せずに頑張ってください!🌟、応援しまくります!💝 (11月23日 10時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» そう言って頂けれると嬉しいですです!!こちらこそボードでもよろしくです! (11月22日 20時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。いえいえ!本当に最高の作品なのでこれからも無理せずに更新してほしいです!ボードの返事とかも遅めでもいいので仲良くしていきましょう!アヤッカーさん! (11月22日 16時) (レス) @page1 id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» マニ。さん!昨日と今日とコメントありがとうございます!面白いと言って頂けるだけで凄く励みになります!ボードの方も何から何まで…感謝。。また更新したら立ち寄って下さると幸いです! (11月22日 16時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。最初から読み直しました!やはり面白いです!あのアヤッカーさんボードの方に返事送ったので通知来てると思いますのでこれからも頑張ってください!🌟 (11月22日 15時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アヤッカー | 作成日時:2019年1月6日 0時