1話 灰と謝罪のプロローグ ページ2
目を瞑ると、瞼の裏に映る情景が2つある。
1つは、凄く昔。おばあちゃんとおじいちゃんに引き取られたときのこと。
夏の日差しが強くて、カラッとした空気に向日葵の花弁が揺らめいていたのを覚えてる。
古臭いでしょ、と私のちっちゃな手を引きながら
2人は自分の家に招き入れてくれたね。
懐かしいな…。
セミの声と、汗ばむ手の温もりが今でも忘れられずにいる。
…2つ目は、真っ白い窓のある部屋。
タイル張りの床の上で、消毒液の匂いが鼻にツンときたんだ。
……これは、思い出したくない記憶。
そして、次に瞼裏に映るのは
シングルベッドの上に厳粛に置かれた茶封筒。
線香の煙のように棚引く、半透明のカーテン。
何度も来たはずなのに、その時だけは聞きなれたおじいちゃんの声が聞こえなかった。
____ギコ
誰に伝えている訳では無いのに、頭の中で誰かの声を待ってしまう。
____ギコ
そんなにも自分が今、追い込まれていることに気づく余裕すら無かったのだと分かると、滑稽さに笑っていた。
_____ギー
まあ、そのどうしようも無いことも、今日で終わり。
私はこの2つの思い出を胸に抱いて、今日という日に終わりを告げようと思うよ。
___ッ、ガチャ
…それでも良いよね?
一抹の迷いを振り切り、
口の中で祈るように呟いた。
____許してね、2人とも。
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マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。はい!これからも無理せずに頑張ってください!🌟、応援しまくります!💝 (11月23日 10時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» そう言って頂けれると嬉しいですです!!こちらこそボードでもよろしくです! (11月22日 20時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。いえいえ!本当に最高の作品なのでこれからも無理せずに更新してほしいです!ボードの返事とかも遅めでもいいので仲良くしていきましょう!アヤッカーさん! (11月22日 16時) (レス) @page1 id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
h16ayakaアヤッカー(プロフ) - マニ。さん» マニ。さん!昨日と今日とコメントありがとうございます!面白いと言って頂けるだけで凄く励みになります!ボードの方も何から何まで…感謝。。また更新したら立ち寄って下さると幸いです! (11月22日 16時) (レス) id: fc0f964cc9 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - h16ayakaアヤッカーさん» ✉️。最初から読み直しました!やはり面白いです!あのアヤッカーさんボードの方に返事送ったので通知来てると思いますのでこれからも頑張ってください!🌟 (11月22日 15時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アヤッカー | 作成日時:2019年1月6日 0時