鬼の少女と文豪たち

ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス─其ノ壱 ページ25

敦side



谷崎「すンませんでした！」


──────────へ??


武装探偵社の入社試験を終え、家財道具の買い出しに行った後、探偵社のビルの1階にある うずまき という店にやってきた。

谷崎さんは手を机に当て、深々と頭を下げる。

それはもうすごい勢いで。

谷崎「その、試験とはいえ随分と失礼なことを...僕の名前は谷崎潤一郎、探偵社で手代のような仕事をしています。」

敦「いえいえ、お気になさらずに...」

意外といい人だ、この人...。

先程までとは違い、優しそうな口調に安心する。


谷崎「それでコッチが((ナオミ「妹のナオミですわ」

谷崎さんの言葉を遮り、名前を言ったセーラー服の少女。

ナオミ「兄様のことなら、なんでも知ってますの...」

妹にしては、距離が近すぎるような...

それに、髪や顔もあまり似ていない。


敦「き、兄弟ですか？本当に?」

ナオミ「あら...お疑い...?」

ナオミさんは谷崎さんの体に指を滑らせ、服の中に入れる。

な、悩ましい...


ナオミ「勿論、どこまでも血のつながった実の兄妹でしてよ...?特に、この辺りの躯つきなんてホントにそっくりで...ねぇ、兄様?」

目を逸らしたくなる光景に悩んでいると、国木田さんが目線で、こいつらに関して深く追求をするな!!と言っていた。

何かを察したので、これ以上は何も言わないことを決心した。


国木田「何も謝ることは無い、谷崎。あれも仕事だ。」

太宰「国木田君も気障に決まってたしねえ...」

太宰さんは顔に手をやり、目を鋭くさせる。


太宰「【独歩吟客】!!!」

国木田「ばっ...違う!!あれは事前の手筈通りやっただけで...」

A「ちゃんとかっこよかったですよ」

国木田「...」

あ、照れてる。


国木田「と、ともかくだ小僧！貴様も今日から探偵社が一隅。ゆえに周りに迷惑を振りまき、社の看板を汚す真似だけはするな。俺も他の皆も、その事は徹底している。なあ、太宰」

太宰「ねえAちゃん、私もかっこよかったよねえ!?国木田君よりも!!!というか、Aちゃんも凄くかっこよかったよ!!最後の敵に回った時の言葉と目!!私思わず鼻血が出そうになったよ!!!そうだAちゃん、さっきのあの冷たい目で私を見ながらその華奢な指で私の首を絞めてくれないかい!?!?」←

A「お一人でどうぞ」

太宰「ﾊｳｯ...いい...」←

国木田「言ってる傍から社の看板を汚すな迷惑噴射機!!だいたいお前はいつもいつも───────」




苦労が絶えないな...この2人...

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