鬼の少女と文豪たち

或る爆弾─其ノ参 ページ19

Aside


武装探偵社では今、先日太宰さんが探偵社員にする、と言った敦くんの入社試験の最終確認をしているところだ。



太宰さんには、敦くんを自然と探偵社に来れるように誘導して下さい、と頼んでおいたので、今頃は自 殺法でもして敦くんを引かせている頃だろう←


国木田「A、そろそろ太宰の阿呆と合流するぞ」

A「はい」


私は国木田さんと共に探偵社を後にした。



太宰「我が名は太宰...社の信頼と民草の崇敬を一身に浴す男」

A「いた」

暫く道を歩いたところで、高身長の包帯男()と少年 中島敦を発見した。


国木田「ここに居ったかァ!」

国木田さんはズカズカと太宰さんの方へ歩み寄る


国木田「この包帯無駄遣い装置!!」

おお、太宰さんにぴったりの渾名。

国木田さん、ネーミングセンスが良い。←


太宰「......国木田君、今の呼称はどうかと思う。」

と、少し傷ついたような太宰さん。


A「私はいいと思いますよ。こんなピッタリ人を表すことの出来る渾名」

太宰「Aちゃん辛辣!!!でも可愛いから許す!!!今日も可憐だね!!!私と心中し((A「しません」...もう、照れ屋さんなんだから♡」←

A「殴りますよ」


敦くんは完全に引いた目で太宰さんを見る。


国木田「何が"民草の崇敬を一身に浴す男"だ!!お前が浴びてるのは、文句と呪いと苦情の電話だ!!!」

敦くんは最早声も出さずに太宰さんをみている。

太宰「えぇ?私がいつ苦情なんて受けたのさ」

国木田さんは手帳を開き、頁を見ながら内容を読んだ。

国木田「8月某日入電。
"お宅の社員さんが、海岸の漁業網に引っかかってるんだけど、引き取ってくんない?"

9月某日入電。
"うちの畑に変な人が埋まっとったんじゃが、其方の同僚さんかの?"

同月某日入電。
"うちの飲み代のツケ、ちゃんと払ってくださいね。半年分です"」


敦くんは顔がもう死んでいる。

ていうか半年分のツケって...。


太宰さんはその苦情を聞き、そ、そんな...と驚愕している。

...ように見えたが、

太宰「そんな莫迦な...国木田くんがこんなに物真似が旨いなんて!!!」

勿論反省などしていない。


ﾊﾟﾘｰﾝと、眼鏡が国木田さんの怒りで割れた。


国木田「人を愚弄するのも大概にせんか!!」

と、首を力を込めて握り、勢いよく振る。

太宰「ｳｵｩ ｳｵｩ ｳｵｩ ｳｵｩ」←






この人の頭の中に、"反省"という言葉は存在していないらしい。

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