人生万事塞翁が虎一其ノ拾肆 ページ15
太宰side
少年、中島敦は異能により、白虎と姿を変えた。
虎は大きな唸り声をあげ、襲いかかろうとする。
グイッ
私は隣に立つAちゃんの腰に手を回し、自分の方へ抱き寄せる。
A「は!?」
太宰「うふふ、一緒になった方が安全だから♡」
A「だからってこうする必要ってありますか!!??」
驚いた顔をしているが、若干頬が赤くなっている。
...可愛いなあ
私はクスリと笑い、彼女を抱き上げ、襲ってきた虎を避ける。
私が虎を避けるために飛ぶと、毎回ギュッと腕にしがみついてくるAちゃん。
やっぱり可愛い。
虎は前足を振り上げ、引っ掻こうと飛びかかってくる。
それを避けるために横に飛ぶと私の後ろにあった大きな木箱は虎の力により粉々に壊れた。
太宰「こりゃ凄い力だ。人の首くらい簡単に圧し折れるね」
A「サラッと怖いこと言うのやめてください!!」
必死の形相で此方を睨む少女にまた笑みがこぼれる。
彼女にも勿論異能力がある。
それにも関わらず、彼女が私の腕から離れないのは、彼女自身、こうした方が安全だと分かっているからだ。
虎は私たちを踏みつけようとする。
ドゴオォォォ!!!
大きな音を立て、コンクリートの地面が砕けた。
虎を避け、勢いでズザザザッと地面を滑っていく。
止まることはできたが、背中は壁だ。
太宰「おっと...」
彼女を下ろし、自分の後ろに立たせ、彼女を守るように腕を出す。
虎はその好機を見逃さず、地面を蹴り、飛びかかってきた。
A「だ、太宰さん...虎が!!!」
太宰「Aちゃんと一緒に獣に食い殺される最期というのも、中々悪くは無いが....」
A「そんなこと言ってる場合ですか!!??」
彼女を守るように出した腕とは逆の腕の手を虎の額に触れさせた。
太宰「君では私を殺せない」
蒼い光を放つ文字の羅列が当たりを照らす。
───────異能力【人間失格】───────
太宰「私の異能力は、凡百他の能力を、触れただけで無効化する」
大きな虎は徐々に形を変えていき、少年へと戻った。
敦君は地面に足を着いたが、ふらっとなって前に倒れる。
ボスっと私の胸に倒れ込んだ。
太宰「....男と抱き合う趣味はない」
A「あああ!!」
バタっと敦くんは倒れた。
国木田「太宰!!」
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夜ヨル(プロフ) - yuramatu0524さん» この世界の太宰さんの頭の中は、八割が夢主ちゃんで埋め尽くされています← (2020年5月6日 13時) (レス) id: c98efaf60d (このIDを非表示/違反報告)
yuramatu0524(プロフ) - 最後の太宰さんの頭の中に寒気がしたw (2020年5月6日 8時) (レス) id: 0bf737b52d (このIDを非表示/違反報告)
夜ヨル(プロフ) - まふぃんさん» うわぁーありがとうございます!やつがれ君実はギャグキャラっていうね(((新旧双黒どちらもツッコミor溺愛にしたかったので...!!!敦くんはツッコミの方が向いてる気がするんですよね笑もっとギャグ深められたらいいなって思います!!これからもよろしくお願いします!!! (2020年4月10日 22時) (レス) id: c98efaf60d (このIDを非表示/違反報告)
まふぃん - めっっっちゃ面白いです!芥川が夢主ちゃんに溺愛しているとは思わず、口からコーヒーが出ましたwこれからも頑張ってください! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 51d4efd8ad (このIDを非表示/違反報告)
夜ヨル(プロフ) - うわあああ有難うございますううう!!!これからもバンバン更新します!!!!! (2020年3月20日 12時) (レス) id: c98efaf60d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜ヨル | 作成日時:2020年3月13日 19時