Episode163 〜ライブ・後半�宗� ページ16
サビに近づくと同時に音は勢いを増す
私も衣装に付けられた小さなマイクに向かって歌い出す
声量は控えてハモリを入れる
「消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような 奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた」
だけどこんな悩んでばっかの私にも信頼出来る人がいる
まふ兄、そらさん、あーさん、うらさん、くーちゃん、天月さん、カノン
そして相方のつーくん
皆、私の名前を呼んでくれる
私が落ち込んでいる時、泣きそうな時に優しく名前を呼んでくれる
それが私にとって支えとなっている
「あなたが居場所を失くし彷徨うくらいならばもう 誰かが身代わりになればなんて思うんだ
今 ささやかで確かな見ないふり きっと繰り返しながら笑い合うんだ」
2番から再びつーくんだけパートに
歌を止めてもギターに込める私の気持ちは高まる一方だ
「何度誓っても何度祈っても惨憺たる夢を見る
小さな歪みがいつかあなたを呑んでなくしてしまうような
あなたが思えば思うより大げさにあたしは不甲斐ないのに
どうして、どうして、どうして」
こんな夢を見たことがある
私が歌い手だと公表して皆に認めてもらい毎日普通に過ごす夢
悩むこともない。誰かに迷惑をかけることもない。
そんな夢
「お願い いつまでもいつまでも超えられない夜を
超えようと手をつなぐこの日々が続きますように
閉じた瞼さえ鮮やかに彩るために そのために何ができるかな
あなたの名前を呼んでいいかな」
だけど現実ではありえない事
結局バレた所でまふ兄やつーくんに迷惑をかける
そして皆、私の事を「嘘つき」と言う
当然だ
だって私は嘘つきなんだもん
”手をつなぐこの日々”
私もそんな日々を送ってみたよ・・・
「！？・・・うー？」
曲中だというのにつーくんは私の名を呼んだ
何かと思ってギターを見つめていた視線をあげてみた
私の目に映ったのは唖然とする皆の姿
どうしたんだろう・・・
なんで皆、私を見るの？
つーくんも間奏だからって何で私を見るの？
・・・次の瞬間、私の手はピタッと止まった
視界がボヤケる
頬には濡れた感触
口元は海水のようにしょっぱい
そう、私は涙を流していた
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輪廻 - 170話で赤羽sibeが赤髪sibeになってましたよ('ω') (2018年12月28日 16時) (
レス) id: 3cfda080cd (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - オトさん» 初めまして！わぁぁ、そんなお言葉を頂けるとは......めちゃくちゃ嬉しいです！！小説書い良かったなと思えました。ありがとうございます！ (2018年7月14日 7時) (レス) id: 7eb51e6523 (このIDを非表示/違反報告)
オト(プロフ) - はじめまして。オトです。なんか急にごめんなさい。感想書きたくなっちゃって…えっと…はじめて「小説」というもので泣きました。自分でもなくと思わなくて…とても心にくるすごく素晴らしい作品だなと、初めて思いました。これからも頑張ってください。 (2018年7月14日 1時) (レス) id: a532cb6182 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - げじげじ嫌いさん» まじですかぃ、感謝感激です！ (2017年9月26日 18時) (レス) id: 7eb51e6523 (このIDを非表示/違反報告)
げじげじ嫌い - なんか地味に泣けました。ありがとうございます(・_・、) (2017年9月26日 17時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
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