あなたが見る世界を知りたい (ページ6)

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そんな私に最大の転機が訪れたのは突然だった。

『………あれ、』

ピアノ教室を終えいつも通り先生の家を出たら、いるはずのお迎えの車が来ていなかった。

道路の先の方を見れば、車がずらりと並んでいるのが見える。

事故でもあったのかな。

スマホを起動させてみれば結城から、お迎えに遅れる、続けて、外に出ず先生の家にいさせてもらいなさいという旨のメッセージが入っていた。

それと最後に、あと30分はかかるであろうと。

これは、チャンスなのでは。

海辺へと目を向ければ、今日もいるサーファーたち。

ちょっとだけ、ちょっとだけ。

結城が到着するまでに戻ってこればいい。

バレなきゃ、大丈夫。

意を決して、一歩、一歩と踏み出した。

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『………すごい、』

波の音が豪快に、私の耳に届く。耳どころじゃない、全身を波打ってまで音が届く。

まるで違う世界にいるような感覚で、目の前には海の青と空の青。

絵そのものみたい。

すごいすごい。

あっちの方までずーーーーっと海だ。

車の中から見る景色とは全然違う。

こんなに綺麗な景色の中で、冷たい水の中に入ったらそれはそれは気持ち良いんだろうな。

波に乗って海と一体化できたらそれはそれは気持ち良いんだろうな。

もう少しあっちまで歩いてみよう。

と足を進めた瞬間、

『っ、！』

足元の砂が柔らかすぎてふらついてしまった。

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「…………っと、大丈夫？」

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