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部屋にたどり着いた私たちはテーブルを挟んでソファに腰掛けた。
恐らくここはリビングなのだろう。
サラ「お茶どうぞ」
『ありがとう』
ミコちゃんを膝の上に乗せて、サラちゃんに会釈。
隣にはミコちゃんの頬をつつく慎太郎くん。
サラ「…………で、説明してお兄ちゃん。
なんでAさんが急に住むことになったの」
自分のことを話されてるのに、しっかりしてるなあなんて、冷静に思ってしまった。
「……………俺が、奪ってきた」
サラ「奪ってきた？」
『違うよっ、私が勝手に家出を』
「Aちゃん、明日お見合いしちゃんうだよ、
そんなの……嫌だから」
サラ「それって、駆け落ちってこと？」
「そうだな」
サラ「そうだなって………そんなことしていいの？
Aちゃんのご両親は？」
『あ、いいの、気にしないで。
私がいなくなったことなんて、しばらく気づかないと思うし』
サラ「え、…？」
私よりも私のことを真剣に考えてくれているらしいサラちゃんは、私のその言葉に目を丸くした。
『お見合いはどうするんだって、怒るだけだと思う。
あの、本当に、急にごめんなさい。
嫌だったら、出て行くし、すぐ』
「大丈夫だって、出てったって行くとこないでしょ？」
『そうだけど…』
「俺がAちゃんといたいの、どこにも行かないで」
慎太郎くんが私の両手を取って、温かくて大きな慎太郎くんのそれで集まれる。
私の心を射抜くキラキラと光る瞳。
やっぱり、この人を信じて着いてきてよかった。
サラ「………お兄ちゃんってそんな甘いこと言う人だっけ」
そんな時、ガラガラと玄関の扉を開く音がした。
〈ただいまー〉
サラ「あ、お母さんだ」
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作者名：なぽりたん
| 作成日時：2023年3月16日 21時
