26 ページ27
.
その夜。
変わらず慎太郎くんとLINEのやりとりをしていると、部屋の扉がコンコンとノックされた。
『どうぞ』
松村「失礼します」
入ってきたのは松村だった。
部屋の中へは進まず、扉のすぐ前で姿勢を正される。
『どうしたの？』
松村「お休みのところ申し訳ありません。
ピアノ教室の送迎が私の担当となりましたことご挨拶に伺いました」
『わざわざありがとう』
松村「至らないところがありますがご迷惑をおかけしないよう努めます」
『いいって、気にしないで』
松村のお辞儀は誰よりも深い。
それは働き始めた頃から変わらなくて私が松村を信頼している理由の１つだ。
松村「では、私はこれで失礼します」
『うん、おやすみなさい』
松村「おやすみなさいませ」
『……あっ、ねぇ』
松村「はい？」
松村が部屋の外へ出て扉を閉めかけた時、思わず声をかけて松村は動きを止めた。
私も扉の方へ駆け寄って、廊下に誰もいないことを確認して松村へ顔を寄せた。
『公園でのこと、結城にバレたりしてないよね？』
松村「っ！」
『え、ちょっとまさか』
目を見開いて肩をぴくんと動かした松村。
前も思ったけど、嘘つけないタイプ？
松村「いえいえ、結城さんには、上手く……」
『……そう。ならいいんだけど』
松村「もちろんでございます」
『………これから、お願いね』
松村「はい。失礼します」
松村「……………………………っぶね、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぽりたん
| 作成日時：2023年3月16日 21時
