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みんなが寝静まった後、慎太郎くんに返信をすればすぐに着信がきた。
音が響かないようにバルコニーへ出てから電話に出る。
空を見上げれば、綺麗な星空が広がっていた。
『空見てなかったの？外にいたのに』
「下ばっか見てたよ」
『もったいない』
「俺空より海派だから」
『紙一重だよ』
「あんなに離れてるのに？」
『距離とかじゃなくて』
どうしてか、慎太郎くんとの会話はびっくりするくらい止まらない。
初めて会った時も、2回目に会った時もそうだった。
時間なんて忘れて、夢中になってしまう。
『……今ね、慎太郎くんがくれたネックレス持ってるよ』
「あぁ、シーグラスの？」
『うん。月の光に照らすととっても綺麗なの』
「だよな、わかる」
腕を空の方へ掲げて、指から下がったシーグラスのネックレスを光に翳す。
『本当に綺麗。大好き』
「……またやるよ、いくらでも作れるからさ」
『本当？嬉しい！』
「今度会えるまでに作っとくな」
やったあ！と舞い上がるのも束の間。
『…………今度って、いつかな』
「………」
『…………私たち、今度、いつ会える？』
「…………Aちゃん」
『いつなら……会えるの、』
「………………」
『……………あいたいよ、』
口約束でもなんでもいい。
慎太郎くんが、“次”の話をしてくれることがたまらく嬉しかった。
でも、現実は甘くないの。
『…………慎太郎くん、最近朝海にいないよね』
「寒くなってきたから、…サーフィンの季節は終わったんだ」
『そっか……』
「………俺のこと、探してくれてんの？」
『うん、』
「………俺も、会いたい」
『慎太郎くん………』
人を想って泣くのなんていつぶりだろう。初めてかもしれない。
「…………絶対会おう。俺、なんとかするから」
『………うん、私もなんとかする』
どんなに曖昧な約束でも、約束が約束として存在できるのならば、どうしてもそれに縋りたかった。
絶対に、会いたい。
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作者名：なぽりたん
| 作成日時：2023年3月16日 21時
